4月1日から上野動物園のパンダ「リーリー」と「シンシン」の公開が始まり、パンダの檻の前には、多い日には2時間待ちの列ができている。雑誌『ケトル』は、上野動物園で3年ぶりとなるパンダ公開を祝し、創刊号特集のテーマとして「パンダ」をピックアップ。こちらはパンダにまつわるお金のお話しだ。
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ワシントン条約で保護されている絶滅危惧種のパンダは、売買が禁止されているが、繁殖の研究目的で貸与するのはOK。その場合は、中国野生動物保護協会にお金を払うことになっている。
リーリーとシンシンの場合、「野生動物保護事業への支援」という名目のレンタル料は、2頭で95万ドル(≒7790万円)。賃貸契約期間は10年間なので、借主である東京都は合計およそ8億円を支払う計算となる(1ドル=82円換算)。このほか、中国から招くパンダの専門家の渡航&滞在費用を支払うこともあるそうだ。
もっとも、上野動物園を例にとると、1972年にやってきた「ランラン」「カンカン」をはじめ、「フェイフェイ」「ホァンホァン」などはすべて中国から無償で送られたパンダであり、有償で借り受けたパンダは、実は今回の「リーリー」と「シンシン」が初めて。
ただし、高額レンタル中の2匹が子を儲けても、中国以外の国で生まれた子パンダの所有権はすべて中国にあり、外国産パンダが繁殖可能な年齢に近づくと、中国へ戻ることになっている。
◆ケトル VOL.01(6月14日発売/太田出版)
【関連リンク】
・ケトル VOL.01
・上野動物園公式サイト
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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。
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