「地下鉄の線路を走る」「千人でサンバ」 無茶な注文を可能にするロケ会社

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12月15日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして「会社」をピックアップ。東京の山奥・檜原村で林業を行う『東京チェンソーズ』や、リアルRPGを開催している『SCRAP』など、小さくても元気のある会社を紹介している。

今回取り上げるのは、ドラマや映画、CMなどの撮影場所を段取りするロケーションコーディネート会社『GOOD DAY JAPAN』。時には、「東京近郊で1000人規模のサンバパレードがやりたい!」「地下鉄の線路の上を、サラリーマンに走り抜けさせたい!」など、どう考えても無茶ぶりにしか聞こえないオーダーも、ほんの1~2週間で段取りしてしまうその秘訣を、社長の手塚英一さんに聞いてみた。

「ロケーション探しって、簡単そうなんですが、いきなり大規模なパレードをやりたいとか公共機関を使うとなると、撮影場所を見つけるだけじゃダメ。地域住民や警察、施設からの許可を取るまでやらないといけません」

長年培われてきたノウハウの結果、「どこの道路、ビル、街並みなら撮影許可が下りやすいか」「どこの地域は話が通りやすいか」「どういう段取りで申請すればいいか」といった情報は、すべてデータベース化されており、申請がめんどうくさい道路関連のCMや映画の仕事の依頼は、非常に多いそうだ。

そして、ロケーション物件探しについては、「地道ですよ~(笑)。データにないときは、目星を付けた地区をずっと自転車か徒歩で見て回るんです」と語る手塚さん。時には、前日になっても物件が見つからないこともあるそうだが、

「会社のモットーは『あとちょっとだけ頑張ってみる』。いつも、『もうこれ以上物件はないはず!』とあきらめかけた時に、ちょっとだけ粘るといい物件が見つかる」

そうで、「段取り中のスリル感と撮影が終わった後の達成感がたまらない」と、この仕事の魅力について語っている。

◆ケトル VOL.04(12月15日発売/太田出版)

【関連リンク】
ケトル VOL.04

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。