12月14日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして“タモリ”をピックアップ。「やっぱりタモリが大好き!」と題し、「タモリ年表」「タモリに学ぶ人生訓」「タモリ流料理レシピ」「タモリがわかる本45冊」など、タモリにまつわるありとあらゆる情報を紹介している。今回取り上げるのは、“ジャズとタモリ”について。名司会の原点には、ジャズがあった!?
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『笑っていいとも!』では30年以上にわたり、様々なゲストを相手に生放送でフリートークを繰り広げてきたタモリさん。その対応力の高さや柔軟性に優れた会話の技術は、実は彼の音楽的趣向と結びついていると考えられます。
彼が好きな音楽といえば、ご存知のようにジャズ。「タモリ」というあだ名自体が、早稲田ジャズ研時代に、「バンド→ドンバ」「ジャズ→ズージャ」など、単語をひっくり返すジャズメン用語からつけられたものですが、ジャズとの出会いは1枚のレコードでした。それがアート・ブレイキーの名盤『モーニン』。何度も聴くうちに「ピッタリくる音楽はこれだ」と、自らもジャズを演奏するようになります。
そもそもモダンジャズはインプロビゼーション(即興演奏)の側面が強く、自由にセッションを楽しむ音楽。『笑っていいとも!』での自由かつ適当な会話から、お客さんを楽しませるトークショーとして成立させていくプロセスは、絶妙な間合いや駆け引きを必要とするジャズのライブセッションと非常に似ています。さらに相手のリズムや出方に柔軟に対応し、それに乗っかりながらも会話をリードするスタンスも極めてジャズ的といえます。
高校時代はブラスバンド部でチューバを担当していたものの、『モーニン』を聞いてトランペットに変更したという彼ですが、学生時代に先輩に言われたのが、「マイルス(マイルス・デイビス)のトランペットは泣いているけど、オマエのトランペットは笑っている」という一言。先輩のこの一言で、ジャズプレイヤーになるのを諦めたと言われていますが、その数年後、マイルスが『マイルス・スマイルズ』というアルバムが出るというオチがあったそうです。
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