『クイック・ジャパン』は毎年、人気放送作家を招いて座談会を開き、前年度のテレビ界について振り返っている。今回の座談会で放送作家陣が「パーソン・オブ・ザ・イヤー2014」に選んだのがバカリズム。目の肥えた放送作家たちから、ほぼ満場一致で「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたバカリズムだが、本人にとって2014年はどんな年だったのだろう? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.118で、バカリズムはこう語っている。
「僕、本数でいうと大したことないんですよ。出演本数ランキングにも顔を出してない。でも準備が大変な、ストロングスタイルの仕事が多かったな-と。『素敵な選TAXI』も『オモクリ監督』もあって、『IPPONグランプリ』も2回出て、『すべらない話』の収録も2回ありましたから。そういう力を試されるような番組に出させてもらったのはありがたかったですね」
『オモクリ監督』については、自分が考えたネタに対し、ビートたけしが感想を言ってくれることのありがたさを語るバカリズム。一方、『IPPONグランプリ』に関しては、ちょっとした“不満”があるようだ。
「大喜利自体は楽しくて好きなんですけど、あれは勝たなきゃいけない競技なので、なんかいろいろと当日は削られます。僕やジュニアさん(千原ジュニア)は、ああいうのが得意じゃないといけないキャラクターじゃないですか。また最初トントン優勝してしまったことで、優勝して普通、負けたら『何してるんだよ?』のイメージがついてしまって……。『あなたがたを笑わせているのに、なぜヒールになるの?』と言いたい(笑)」
2014年は、コント、大喜利、ドラマの脚本まで、幅広くテレビの世界で活躍したバカリズム。多才な彼は、今後のテレビはどうなっていくと考えているのだろう?
「ずっとテレビっ子だったし、今もテレビが一番面白いと思ってるんですよ。規制は厳しくなって、視聴率は取りづらくなってるとしても、バラエティのレベルは昔より上がって、テレビは面白くなってるんじゃないですか、確実に」
その理由として、『ドリフ大爆笑』や『オレたちひょうきん族』、さらにダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるずらに刺激を受けて育った人間が、スタッフとして番組作りの最前線にいることをあげるバカリズム。とかく悲観論も囁かれるテレビ界だが、バカリズムは、
「規制さえ取っ払ったら、とんでもなく面白いものが作れる気がするんです。だから先行きを悲観してはいないんですよね」
と、語っている。
◆『クイック・ジャパン』vol.118(2015年2月13日発売/太田出版)
【関連リンク】
・『クイック・ジャパン』vol.118
【関連記事】
・伊集院光「最近のテレビは役回りで悪いことをするのさえ許されない」
・ロンブー淳「ロンハーの素人企画にやらせは一切なかった」
・ボディビル挑戦DVD発売のオードリー春日 「それ誰が買うの?」
・昨年「カンニング解散ライブ」を行ったカンニング竹山が相方への思いを告白