コンピューターとネットの発達は、辞書の世界にもイノベーションをもたらしました。それは紙とペンの収集方法では限界があった言葉の用例の量をかつてない規模で集め、分析できるようになり、より”リアルな表現”を掲載できるようになったこと。その流れにいち早く対応したのは、「英英辞典」のリーディングカンパニーであるイギリスの「ロングマン」でした。
ネイティブの言葉遣いを詳細に分析した結果生まれた自然な例文は評判を呼び、英語を母語としない人たちにも必携の辞書として、同社の英英辞典は世界中で支持されてきました。そして次に挑んだのは、日本の英語学習者向けの「英和辞典」です。
編纂にあたっては、自然な日本語と英語の表現を両方つき合わせるために、日英の専門家たちによる共同プロジェクトチームを発足。日本のメンバーには、翻訳家の柴田元幸さんらも参加しています。
そうした過程を経て、2007年に刊行された『ロングマン英和辞典』は、英語と日本語のネイティブそれぞれの人が読んでも違和感のない例文を掲載しています。例えば、「散髪してもらう」の表現では「cut my hair」はNGで「have may hair cut」が正解。おそらくNG表現でも意味は伝わるでしょうが、外国人にはカトコト英語に聞こえてしまうのです。つまり『ロングマン英和辞典』を海外旅行に持っていけば、辞書で引いた会話例がそのまま使えるのです。
◆ケトル VOL.23(2015年2月14日発売)
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