「焼きりんご」「みかん丸ごと」 日本全国のくだもの珍缶詰

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世界に1200種類以上ある缶詰のうち、日本はなんと約800種類を作っている缶詰大国。それだけに「こんな缶詰もあるの!?」と驚く珍缶が全国各地にはたくさん存在します。その中から、果物を使った珍しい缶詰を紹介しましょう。

青森県の美味しいものといえば、真っ先に浮かぶのがりんごですが、木村食品工業の『焼きりんご』は、糖度の高い青森県の名産「ふじ」を8等分にカット。オーブンで焼いてからシロップ漬けにしました。

皮を剥かずに焼いたことで、リンゴ本来のおいしさを楽しむことができます。柔らかくフレッシュな甘みの果肉と風味豊かな皮の食感が焼くことより引き立ち、青森県名物にふさわしいこの缶詰。冷やして食べても、アップルパイなどのスイーツの素材としてもおすすめできます。

一方、和歌山の名産物「みかん」を缶詰にしたのが紀州食品の『丸みかん』です。こちらは、地元メーカーの「和歌山県のみかんを丸ごと味わってほしい」との思いから、房を分けない丸のまま缶詰に仕上げました。

主に業務用として発売され、サイズも2号缶(850グラム)のビッグサイズ。ゴロッとしたミカンが16個ほど入っています。ひと口で丸ごと頬張っても美味しいですが、汁ごと凍らせて“みかんシャーベット”にするのもGOOD! 汁気を切って凍らせれば、皮を剥いた冷凍みかんが手軽に作れます。

ちなみに初めてみかんの缶詰を作ったのは日本で、明治13、14年頃に銀座の中川嘉兵衛氏が、外皮をつけたままの「外皮付きみかん糖蜜漬け缶詰」を製造開始したと推定されています。みかん缶詰の製造法は日本で独自に開発されたもの。スペインや中国など世界の缶詰生産国においても、日本の製造法式が採用されています。

◆ケトル VOL.25(2015年6月13日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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