黒柳徹子 『徹子の部屋』を長続きさせる自由奔放な会話術

カルチャー
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黒柳徹子さんが司会を務める『徹子の部屋』は、今年で番組開始から40年目。放送回数はすでに1万回を超え、なお記録を伸ばし続けています。毎日のようにゲストを迎え、トークを行うのはとても大変なように思えますが、黒柳さんにはとっておきのテクニックがあるのです。

黒柳さんには、ゲストの面白トークを何度も聞きたがることがよくあります。たとえば和田アキ子さんには「サイズの合わない靴の話」、野際陽子さんには「強盗に遭った話」、大沢たかおさんには「パリコレ帰りの飛行機の話」。彼らが出演するたびに同じエピソードを聞き、「何回聞いても面白いわね」と喜びます。

1977年の初登場から37年間、年末恒例のゲストだったタモリさんにも、毎回「密室芸」をリクエスト。インチキ外国語による「4か国語マージャン」や「7か国バスガイド」、そして「ヨーロッパ3か国のベッドシーン」のネタでは、セットにベッドルームまで特設。「ドイツの男は怒りっぽい」「フランスの男は自信喪失していて暗い」など、各国の男を演じるタモリさんを黒柳さんはベッドで待ち受け、そして笑い転げます。

一方で、面白くなければ笑わないのも黒柳さん流。有名なのは芸人さんがゲストのときです。「面白いものを見せていただきましょう」とハードルを上げたかと思えば、ネタが終わると「ああ、そうですか」で終わらせてしまったり、ボケに気づかずスルーしたり。黒柳さんにいつしかついた異名は「芸人殺し」というものでした。

“被害”に遭った芸人さんは数知れず、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で数々の芸人さんがバッサバサと斬られていくシーンだけを集めた「徹子の部屋芸人」が組まれたことも話題になりました。しかし黒柳さんに悪意はありません。なぜなら「面白くないのに笑うのは失礼」「面白くないなら笑わなければいい」と考えてのことだから。そういったテレビの“お約束”にとらわれないことが、自分らしさを保つ秘訣なのです。

◆ケトル VOL.31(2016年6月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。