小説執筆のクリープハイプ尾崎 「入口は小説でも出口は音楽であるべき」

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ロックバンド・クリープハイプの尾崎世界観が自身の過去の体験をベースに綴った小説『祐介』が6月に発売された。9月7日にはアルバム『世界観』も発売されたばかりのクリープハイプだが、尾崎はいつから小説を書いていたのか? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.127で、尾崎はこう語っている。

「小説は去年の3月に話があって、5月から書き始めたんですけど、途中でしばらく筆が止まっていた時期もありつつ、1年以上ずっと作業してましたね。やってみて初めてこれは難しいな、無理かもと思いました」

そのような苦労の末に完成した『祐介』について、「基本的には実話で、自分の身に起こったことをちょっと過剰に書いている」と説明する尾崎。これまでロックバンドとしてやってきた尾崎だが、小説執筆のきっかけは、やはり音楽だけでは伝えきれないという感覚があったのだろうか?

「バンドもなかなか上手くいかない中で、溺れかけたときに藁を掴むような感覚はありましたね。レコード会社の移籍があったぐらいの頃(2014年)からいろんなことがあって、制約のある中でやらざるを得なくて、自分の作る音楽もそれに流されてしまっている気がしたし、その間にバンドとしての旬の時期が過ぎてしまうという怖れもあって」

しかし今年になって小説が出版されると、結果的にそれはアルバムにまで繋がったのだそう。アルバムタイトルの『世界観』については、

「決着は音楽でつけなきゃいけないという思いがあったので、『祐介』と対になるように、入口は小説でも出口は音楽であるべきだと」

と、語っており、苦労をして小説を書いた経験は、音楽作りへの良い刺激となったようだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.127(2016年9月1日発売/太田出版)

【関連リンク】
『クイック・ジャパン』vol.127

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。