「百獣の王」ライオンの糞 意外な場所での意外な使われ方

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ライオンといえば、“百獣の王”の愛称を持つ動物界の王様。動物園でも大変に人気の高い動物ですが、その糞が意外な使われ方をしているそうです。

三重県と和歌山県を走るJR西日本の紀勢線は、シカと列車の衝突事故に悩まされていました。それは列車の遅れや運休の原因にもなり、大きな負担になっていたのです。

そんなある日、同社の社員が「シカの食害防止に猛獣の糞が有効」という研究を紹介した記事を発見。これを参考に、動物園がある複合施設アドベンチャーワールド(和歌山県)に依頼して、ライオンの糞を譲ってもらい、水に溶いて線路に撒いてみました。すると、シカとの衝突事故が大幅に減ったのです。

日本に野生のライオンはいないのに、なぜシカは会ったこともないライオンの糞を避けたのでしょうか? 東武動物公園の飼育員さんに聞いてみました。

「天敵の多い草食動物は、嗅いだことのない匂いに敏感です。普段とは違う匂いを感じると、拒否反応を示します」

ライオンなら、牙をむいて襲いかかったり、大きな声で吠えたりせず、用を足すだけで周囲は怯えるのです。電車の衝突事故だけでなく、野生動物からの農作物被害を減らすためにも、ライオンの糞を使う研究が報告されています。さすが百獣の王、恐るべし!

◆ケトル VOL.33(2016年10月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。