アジアに広がる三国志の輪 中国・韓国・タイでもブームに

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歴史がテーマのマンガは数多くありますが、時代が変わっても人気が衰えないのが横山光輝の『三国志』。「横山三国志」の人気は日本だけのものではありません。中国をはじめ、韓国、台湾などのアジア各地域でも翻訳されています。

その中でも日本人にとってちょっと意外なのがタイ。実はタイでは、19世紀に誕生した「サームコック」という『三国志演義』の翻訳書小説がタイ文学に大きな影響を与えており、今も子供の頃から三国志を読んできたという人が多いのです。

そして1995年に「横山三国志」のタイ版が登場した際には、これをきっかけに三国志ブームが巻き起こりました。どのぐらいのブームだったのかというと、その翌年に首相になったチャワリット・ヨンチャイユット氏が、元陸軍士官にして「タイ最高の将軍」といわれたほど手腕が高く評価されていたことから、「タイの諸葛孔明」と呼ばれたほどです。

それだけアジアに定着している三国志ですが、同じ物語を読んでいても、国によって反響はさまざま。特に「横山三国志」の主人公であり、日本人が好きな劉備が、本場中国ではあまり人気がありません。それでは人気なのは?

潮出版社『横山光輝「三国志」大百科』に掲載された中国の大学生による人気投票によると、特に票が集まったのは孔明と曹操。実力主義の中国では、智謀に長けていた孔明や、悪評がありながらも数々の実績を残した曹操のほうが、劉備よりも尊敬に値する人物として高く評価されているそうです。

◆ケトル VOL.37(2017年6月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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