量の多い少ないはさておき、ほとんどの人は銀行ないしは郵便局に口座を持ち、お金を預けているはず。しかし普通預金の金利が0.001%で(2017年7月時点の大手銀行の場合)、1000万円を預けても、引き出し手数料1回で1年分の利子が吹っ飛ぶ状況を考えれば、思い切って資産運用に挑むことも視野に入れたい。
そんな時に選択肢の1つになるのが「投資ファンド」。複雑怪奇なお金の疑問についてまとめた『図解でわかる 14歳からのお金の説明書』では、初心者には分かりにくい投資ファンドについて、このように解説している。
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投資ファンドは、例えてみれば魚を集めた水槽のようなもの。国内外の株式や債券など、様々な魚が泳いでいます。一般投資家向けには6000以上ものファンドがあり、投資信託を始めるには、まず水槽選びから始める必要があります。
そこで問題となるのは、水槽にどんな魚が飼われているかです。この魚の集め方によって、投資信託は2つに大別できます。まず1つ目が「インデックスファンド」です。これは、日経平均株価などの株価指数(インデックス)と似た値動きをするように、複数の代表的な銘柄を集めたファンド。海の魚をまんべんなく集めて、魚の質を平均化させるわけです。選び方が受け身的なので「パッシブファンド」とも呼ばれます。
一方、リスク海域にボートを走らせ、高値のつきそうな魚を狙うのが「アクティブファンド」です。例えばミャンマーなどの新興国の成長魚狙い、あるいは中国産の大型魚狙い、というように、舳先(へさき)に座ったファンドマネジャーの指示によって、水槽に集められる魚の傾向が決まります。このほか番外として、「ヘッジファンド」と呼ばれるものも。こちらは富裕層の資金で高い収益を追うもので、さしずめ潜水艇での深海魚狙いといったところでしょうか。
こうしたファンドは「一口いくら」で販売されます。この一口あたりの値段のことを「基準価格」といいます。この価格は運用成績によって変動し、購入時より上がったときに換金すれば、その差益を得ることができます。また、運用によって生じた利益から、保有口数に応じて分配金を得ることもできます。
ただし、投資信託には販売手数料と信託報酬がかかります。いわば魚集めの経費と水槽の維持費。当然アクティブファンドのほうが割高です。より安全なのは、インデックスファンドの長期投資。一度買えば、あとは魚の成長をじっくり待つだけです。
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投資ファンドは少額からの投資も可能だ。安定を選ぶか、冒険を選ぶか、各々のメリットとデメリットを知った上で投資すれば、資産運用が面白くなるだろう。
【関連リンク】
・図解でわかる 14歳からのお金の説明書
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