「ブギウギ専務」の上杉周大 そば賛歌『ソウルソゥバッ!』誕生の経緯

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札幌テレビ放送の『ブギウギ専務』に“ウエスギ専務”として出演し、道内では抜群の知名度を誇る上杉周大は現在、そばの作付面積日本一を誇る北海道幌加内町の“そばの里大使”を務めている。幌加内そばを讃えた楽曲『ソウルソゥバッ!』も作曲した上杉は、なぜそばの里大使になったのか? 2017年10月24日発売の『クイック・ジャパン』vol.134で、上杉はこう語っている。

「もともと僕はそば打ち職人にあこがれていたほどの大のそば好きで、出演中の番組『ブギウギ専務』の中でもその話をしたり、ブログにそばへの思いをしたためたりしていたんです。そんな折、僕のやっているバンド・THE TON-UP MOTORS(現在は活動休止中)で北海道の全都市を回るツアーを2014年の1年間で開催することになって、幌加内町へも足を運んだんですよ。MCでそばが好きだという話をさせてもらったら、それを役場の方々が聞いてくださっていて、後日、幌加内そばの里大使になってくれませんか? というご依頼をいだたきました」

上述のツアーでは北海道の全市町村を回ったため、特定の町の大使を引き受けることにはためらいもあったものの、「そばへの思い、そして訪れた先で感じた幌加内町の皆さんの温かさを感じた」ため、大使を引き受けたという上杉。『ソウルソゥバッ!』には、幌加内町に対する熱い思いが込められているようだ。

「この楽曲はあくまで僕が自主的に制作していたもので、それが後に幌加内町役場のレーベル(幌加内製音所)でリリースすることになるとは夢にも思っていなかったので、いわゆる“町おこし”みたいなわかりやすさは一切意識していなくて。例えばお子さんや高齢の方が一度聞いただけで簡単に口ずさめるかと言ったら、必ずしもそうじゃないと思うけど、この曲が浸透していずれはソウルソゥバッ! ホロカナイッ!って一緒にシャウトしてくれたりするようになったらいいですね」

ちなみに、幌加内は日本最寒の地としても記録を残しており、その特性を生かした“寒ざらし”という製法で作られたそばはツルッとした食感と風味が命なのだそう。上杉は幌加内町の魅力について、

「とてものどかでコンビニが一軒もないんですよ。住民の方はそこに不便さを感じるかもしれませんが、僕にはこの環境こそが、なによりも豊かに思えます。僕自身も幌加内を訪れるたびに人の優しさや人情に触れて、昔は当たり前にあったものがこの場所にはそのままの形で残っているなと感じます。だから都会に住んでいる方にこそ、ぜひ遊びに行っていただきたいんです。きっと都会では得られないものが、幌加内では当たり前の光景として広がっていきます」

と、語っており、“道民のスター”の幌加内への愛着は本物のようだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.134(2017年10月24日発売/太田出版)

【関連リンク】
『クイック・ジャパン』vol.134

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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