“日本の印象派”の全貌を紹介 瑞々しい感性に触れる『没後70年 南薫造』展

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2月20日(土)より、JR東京駅内の「東京ステーションギャラリー」にて、『没後70年 南薫造』が開催される。

南薫造(1883~1950)は、明治末から大正にかけて官展を中心に活躍した洋画家。広島出身の南は、東京美術学校(現・東京芸術大学)を卒業後にイギリスに留学してフランスなどを巡り、透明感のある光や、繊細な色調のスタイルを確立して「日本の印象派」と呼ばれた。水彩画で高く評価された南は、一方で創作版画運動の先駆けとなる木版画制作にも勤しみ、こちらでも優れた作品を発表。いずれの作品も、奇をてらうことなく風景や人物を端正に描写し、多くの後進に影響を与えた。

同展は、文展・帝展・日展の出品作など、南の代表作を網羅するとともに、イギリス留学時代に描かれた水彩画や、朋友の富本憲吉と切磋琢磨した木版画などが登場。これまで地元・広島以外では大規模な回顧展が開かれなかったが、瑞々しい感受性と卓越した技術、イギリス仕込みの水彩画、創作版画の先駆けとなった作品、晩年の自由な境地など、南の全貌が紹介される。

『没後70年 南薫造』は、2021年2月20日(土)~4月11日(日)まで、東京ステーションギャラリー(千代田区丸の内1-9-1 JR「東京駅」丸の内北口改札前)にて開催。開館時間は10:00~18:00。休館日は月曜(4月5日は開館)。入館料は一般1100円。

【関連リンク】
没後70年 南薫造-東京ステーションギャラリー

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。