声優として多くの人気作に出演しつつ、エンターテインメントレーベルKiramune(キラミューン)所属の歌手としての活動も積極的に行っている岡本信彦の6枚目のミニアルバム『Chaosix』が、1月に発売された。ミニアルバムは、「chaos=混沌」という単語が含まれている通り、バラエティに富んだ作品に仕上がったが、今作は何がテーマなのか? 2020年12月25日発売の『クイック・ジャパン』vol.153で、岡本はこう語っている。
「2019年に、柿原徹也さんとコラボCD『trust and play』をリリースしたのですが、そのときの候補曲に入っていたのが『2人いるパズル』と『Game』だったんです。『2人いるパズル』はレコーディングも2019年には終わっていました。その後、僕の大好きなNEWSの『生きろ』を手がけたヒロイズムさんにオファーしてできたのが『キミとなら』でした。これが物悲しくもあり王道でもあるキャッチーな一曲で。
さらに、嵐の『Monster』を作曲されたCHI-MEYさんにもオファーすることができて、それで生まれたのが『Overture』なんです。どれも良い曲になったので、ファンにリード曲を選んでもらおうという企画になりました」
気になっている作家に声を掛け、それが形になった今回のミニアルバム。岡本が参考にするのは、J-POPよりもミュージカルやパーク・ミュージックだという。
「遊園地でかかるパーク・ミュージックが大好きで、『Extremes World』もディズニーランドで見たショーのひとつに触発されてできた曲です。天使と悪魔が、同じコード進行の中でそれぞれのメロディラインを歌って最後はバトルするみたいな構成になっています。ミュージカルテイストでいうと『2人いるパズル』も、映画『グレイテスト・ショーマン』にハマって、そのコンセプトを反映した楽曲ですね」
声優力を注いたボーカルを心がけつつ、「最終的にはライブで披露することを常にイメージしている」という岡本。来年には歌手活動10周年を迎えるが、今後は声優アーティストとして、どのように活動していきたいのか?
「セリフやお芝居に通じるような楽曲は声にもやっぱり合っていると思うので、それは突き詰めていきたいです。あとは、カバー曲をやりたいです。最近はボーカロイドの楽曲にハマっていて、これは声優向けなんじゃないかなと思うことも多いので。ほかにも、Sound Horizonさんが大好きなのですが、ああいう壮大な世界観のサウンドにもチャレンジしたい。イントロが長めなんですけど、そこでなにか芝居や動きを付けたり」
コロナ騒動により、ライブ活動がままならない状況は続くが、「AR(拡張現実)を使った演出ができれば」と、夢は尽きない様子。物語性の強い世界観は、これからも多くのファンを魅了していくことだろう。
◆『クイック・ジャパン』vol.153(2020年12月25日発売/太田出版)
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