邪魔者か郷愁か… 電線や電柱を通じて近代都市・東京を読み解く『電線絵画展』

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2月28日(日)より、東京・練馬の練馬区立美術館にて、『電線絵画展 ─小林清親から山口晃まで』が開催される。

この展覧会は、普段見慣れているものの、なかなか注目することがない電線や電柱に着目し、それが描かれた作品を紹介するものだ。電線や電柱は、我々が文明生活を営んでいく上で必要不可欠なものだが、近年は「美観を損ねる」「災害に弱い」と批判の声が高まっており、先進国各国で進められている“無電柱化”の流れにも立ち遅れている。

しかし多くの人にとって、電柱や電線は“見慣れた光景”であり、電柱や電線があるのが当たり前。同展では、芸術作品を通じて、明治から現代に至るまでの電線、電柱が果たした役割や、それが描かれた意図について解き明かしていく。

会場には、電信柱を文明開化の象徴と捉え、キャンバスにデカデカと電柱を描いた小林清親、帝都・東京が拡大する様を、電柱を通じて描いた岸田劉生、電線や架線が複雑に絡み合う様子を描いた朝井閑右衛門ほか、電線や電柱がポイントとなっている作品が多数登場。電線や電柱を通じて、東京が発展してきた過程を見つめ直す。

『電線絵画展 ─小林清親から山口晃まで』は、2021年2月28日(日)~4月18日(日)まで、練馬区立美術館(練馬区貫井1-36-16 西武池袋線「中村橋駅」徒歩3分)にて開催。休館日は月曜。開館時間は10:00~18:00。観覧料は一般1000円。

【関連リンク】
電線絵画展 ─小林清親から山口晃まで-練馬区立美術館

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。