90年代後半から2000年代前半にかけて大人気だったDA PUMPが、今年に入って再ブレイクしている。今年6月に発売したシングル『U.S.A.』は、MVの再生回数が8000万回を突破。新たな代表曲になった。『U.S.A.』のヒットのきっかけは、歌詞やダンスが“ダサかっこいい”と話題になったからだが、ISSAはこの曲でどんなことを表現したかったのか? 2018年8月21日発売の『クイック・ジャパン』vol.139のインタビューで、ISSAはこう語っている。
「自分の持っているすべての力で、純粋に詞の世界を表現するのが一番だと考えたので、その思いで歌を録りました。アレンジについては、ユーロビートだからといって80年代当時のままではなく、ギターのリフを新しく入れたり、音色や若干のテンポ感も変えたりして。ダンスに関しては、音があればなんでもパフォーマンスできるチームなので。メンバー同士、試行錯誤しながら楽しく考えて進めていきました」
かつては毎年のように紅白歌合戦に出演したDA PUMPだが、『U.S.A.』は実に3年半ぶりのシングル。デビュー当時のメンバーもISSAしか残っていない。「常にまじめにふざけて楽しんで」を目指しているというISSAだが、多くのダンスボーカルグループがしのぎを削るなか、DA PUMPは他のグループと何が違うのか?
「ずっと変わっていないのは、ストリートの文化を継承してやってきていることですね。もちろん、その年代ごとの新しいものも取り入れていきますけれど、根本ではずっとストリートのカルチャーを持っています。自分たちの軸にあるのは、オールドスクール文化なんです。ブレイクダンスやポップダンスとか、昔からやられている踊りが好きではじめましたから。
音楽もそうですけど、今の子たちはオールドスクールをあまりやらないんですよ。もちろん新しい踊りもいいと思うし、『U.S.A.』で取り入れたシュートとか、そういうものもDA PUMP はやりますよ。でもそれはあくまでも見せる手段のひとつとして考えていて。一応、なんでも踊れないとダメなチームなので、逆にこれだけをやるということもないんです。自分たちがやってきたことは、もともとストリートだったので」
久々にヒット曲に浮かれているのかと思いきや、「あくまで結果です」「たまたまよかった」と、非常に冷静なISSA。すぐに流行に乗る者が溢れる今だからこそ、時代に流されない姿勢がヒットを呼び込んだことは間違いなさそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.139(2018年8月21日発売/太田出版)
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