大塚英志による決定版・八雲論『八雲と屍体』刊行 ゾンビから固有信仰まで新たな視点で迫る

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まんが原作者・小説家・批評家として幅広く活動する大塚英志による、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を論じた新刊『八雲と屍体(したい) ゾンビから固有信仰へ』が、8月8日(金)に太田出版より刊行。装画は、漫画家・イラストレーターの西島大介が担当する。

本書は、八雲が書き記した数々の「死」と「屍」を巡る物語を手がかりに、そのテクストに潜む「真実」とは何かを問い直す、決定版・八雲論。「ゾンビ」や「フランケンシュタイン」、前世の記憶を持つ少年「勝五郎の転生」、火星に運河を発見した天文学者「パーシヴァル・ローウェル」との出会いなど、八雲を彩る刺激的なエピソードを独自の視点で読み解く。

大塚氏は、「決してファンタジーと現実を混同してはならない。だから、私たちは八雲という死者のファンタジーを“理解”してはいけない。それは死者の擬人化であって、私たちが読んでいるのはあくまでも『偽八雲』なのである」と本文中で述べており、従来の八雲像に捉われない批評的なアプローチを提示している。本書は、初めて小泉八雲に触れる読者から、熱心なファンまで、八雲とその物語を愉しむための必読書となるだろう。

著者の大塚英志は、1958年生まれのまんが原作者、批評家、小説家。『多重人格探偵サイコ』や『黒鷺死体宅配便』などのまんが原作で知られる一方、批評家としても活動し、『物語消費論』などの著作がある。小泉八雲や柳田國男をテーマにした研究も長年続けており、2007年には評論『「捨て子たち」の民俗学 柳田國男と小泉八雲』で角川財団学芸賞を受賞。また、本書に関連する作品として、まんが原作『八雲百怪』シリーズなどがある。

装画を手がけた西島大介は、1974年生まれの漫画家、イラストレーター。2004年に『凹村戦争』で漫画家デビューし、代表作に『世界の終わりの魔法使い』『ディエンビエンフー』などがある。イラストレーターとしても多くの書籍の装画やキャラクターデザインを手がけている。

大塚英志著『八雲と屍体 ゾンビから固有信仰へ』は、2025年8月8日(金)より全国書店や電子ブックストアで順次発売開始。なお、神保町の書店・書泉グランデでは「大塚英志×小泉八雲フェア」が開催中。本書を購入すると、カバーイラストを使ったポストカードが特典としてプレゼントされる。特典はなくなり次第終了。小泉八雲夫婦を主人公に据えたNHK連続テレビ小説『ばけばけ』放送前に、ぜひ読破しては?

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