3月30日から、NHKの連続テレビ小説の新シリーズ『まれ』が始まりました。『まれ』は石川県能登地方が舞台で、作中には方言が次々と登場しますが、初めて標準語から方言を引くことができるように作られた辞典が、佐藤亮一氏監修の『標準語引き日本方言辞典』(小学館)です。
従来は、「方言から使用地域を調べる」といった辞書が主だったそうですが、こちらの辞典は、パッと開いた瞬間に「日本にはこんなに方言があったのか!」と、驚きを感じるのは間違いありません。方言採集にあたっては、北海道から沖縄まで実に1000点を超える各地の方言資料(その地方の言葉が記された資料)を参考にしたそうです。
例えば「かわいい」の項目を引くと、「いげつない」「おぞい」「けもーな」「つぼい」「ほにゃい」「もじっこい」「やらしか」など、実に100通り以上もの表現があり、どの地方で、どう言われているかをひと目で調べることができます。そうやって見ていくと、「同じ表現の地域」がわかります。「めんこい」であれば、なぜか「神奈川県横浜市」も該当しています。いったい北国とどんなつながりがあるのかを妄想してみるのも、方言辞典の楽しみのひとつです。
ちなみに「方言辞典」というのものは、江戸時代から存在したそうです。前述の佐藤氏によると、日本最初の方言辞典は、1775年に刊行された『物類称呼(ぶつるいしょうこ)』とのこと。全国各地の方言を約4000語収録した大規模なものだったそうです。
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