アメリカ・西海岸出身の女性作家・ミシェル・ティーの自伝的パンク・レズビアン小説『ヴァレンシア・ストリート』が、幣社から4月14日に上梓された。
ミシェル・ティー(Michelle Tea 1971~)は、米・サンフランシスコ在住の作家、詩人。体中にタトゥーが刻み込まれたリアルパンクスの彼女は、ダイクカルチャー(≒レズビアンカルチャー)とストリートポエトリーに大きな影響を受け、90年代にアメリカ西海岸を中心に広まったジン※(ZINE)カルチャーから生まれてきた。
※ジン(ZINE):写真、イラスト、小説、詩etc…、自分で表現したいものをコピーしてホッチキスで留めて冊子を作り、本屋やギャラリーなどに自力で流通させるスタイルの総称
今回上梓された『ヴァレンシア・ストリート』は、もともとティーのストリートポエトリーの朗読の原稿として書かれたもの。ティー曰く「自分をムカつかせるありとあらゆる人やものについてひたすらまくし立てることだけ」というストリートポエトリーを土台に描かれたこの自伝的小説は、ティーが永遠の愛を求めて、女の子から女の子へとロマンスを渡り歩くストーリーになっている。
2000年には、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)をテーマにした文学、詩、ノンフィクションなどに与えられるラムダ賞で、最優秀レズビアン小説賞を受賞した『ヴァレンシア・ストリート』は今回初邦訳にて弊社より発売中。定価2850円+税。
【関連リンク】
・ヴァレンシア・ストリート-太田出版
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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。