本来なら書き間違いや書き損じをゴシゴシと消す”消しゴム”。その消しゴムを彫って、ありとあらゆるジャンルの有名人の版画をすりあげていたナンシー関女史が急逝して間もなく10年が経過する。辛口コラムで一世を風靡した彼女が、もっとも数多く彫りあげた有名人は誰だったのか?
そこで、紛失したものや譲渡したものを除き、現存するすべての作品を収録した『ナンシー関全ハンコ5147』(アスペクト刊)を開くと、彼女が生前に最も数多く彫った著名人は、書評家の内藤陳氏で、その回数は23回ということが判明! さっそく内藤氏を直撃すると、
「身の毛もよだつほど美しくいい女だったのに、陳メの心に残ったのは光るゴムクズの山。死ななきゃいけないバカ女なんざぁ世の中百千万・・・・・・もいるのに、ナンシー早く後を追うからね。ナンシーナンシーナンシー!」
という熱いメッセージが返ってきた。
ちなみに同書の最後のページには、「カッターと生きる」と彫られた消しゴム版画の自画像が、大きく掲載されている。
◆ケトル VOL.03(10月15日発売/太田出版)
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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。