確かな演技力で、ドラマ、映画、舞台と活躍の場を広げる俳優の阿部サダヲ主演の映画『ぱいかじ南海作戦』が7月14日から公開される。リストラと離婚を同時に経験し、気分転換に南の果ての島へと降り立った男の「現代版 ロビンソン・クルーソー物語」とも形容できるこの映画。阿部は、『クイック・ジャパン』vol.102のインタビューで、”南の島”についてこう語っている。
「個人的には、サバイバル生活とか南の島への憧れ、というものが全くないんです。もともと勇気がなくて(笑)。いざ島へ行ったら、やっぱりその自然に圧倒されたし、住まれている方々の勇気にはビックリしましたね」
タイトルの「ぱいかじ」とは、漢字で”南風”と書く。今作への出演を決めた理由は、演出家としても知られる細川徹氏とガッツリ仕事がしたかったからだそうだが、1か月ほどの西表島ロケでは、初監督となる細川徹の”不思議な空気感”により、こんなこともあったそうだ。
「島民の皆さんが優しくて、細川監督の人柄もあいまって、ひとりひとりが心を開いた現場になり、最終的にはキャンプファイヤーまでやっちゃった。火を囲んで歌ってね。いま冷静に考えたら”あれは何だったんだ”って思う(笑)、もちろん僕も歌いましたよ~。えーと、”丘を越え、行こうよ”って始まる爽やかソングを」
そんなこともあってか、今作は阿部にとっても非常に満足のいく出来栄えになっているようで、「いっそのこと、思い切ってシリーズ化しちゃうのはどうだろう。いまは日本映画、シリーズ化の作品が少ないですから」と、続編への意欲を語っている。
◆『クイック・ジャパン』vol.102(6月12日発売/太田出版)
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