袋綴じの究極形「オール袋綴じ雑誌」 キャッチコピーは「25回破れます!」

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10月14日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして“雑誌”をピックアップ。BRUTUS、an・an、VERY、JT時刻表、ムー、nicola、NHKラジオ基礎英語、Pen、スタジオ・ボイス、rockin’on.……..ありとあらゆるジャンルの雑誌にまつわる情報を取り上げている。雑誌を作る時に最後の工程となるのが雑誌の“綴じ”。今回は「雑誌の綴じ方」にまつわるあれこれを紹介します。

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雑誌の綴じ方は大きく分けて「中綴じ」と「平綴じ」の2種類。「中綴じ」は週刊誌のように二つ折りにした紙の折り目の部分を針金などで留めているもので、この方法で綴じられている週刊誌のスクープは、印刷と製本のタイミングで、表紙か裏表紙の近くに掲載されることになる。一方の「平綴じ」は、基本的に16ページずつ綴じられているので、雑誌を読んでいて紙質や色が変わったら、そこは16の倍数になっている。

また、昔「Olive」がリニューアルした際に右綴じから左綴じに変わったように、綴じ方は雑誌の個性やイメージを大きく左右する役割も担うもの。そして、綴じ方を語る上でもう1つ欠かせないのが“袋綴じ”だ。そもそも袋綴じの発祥はイギリス。「推理小説の犯人が誰か知りたくて飛ばし読みしてしまう人への対策で生まれた」とか、「購入しないと謎が解けないようにするため」といった説があるそうだ。

日本の袋綴じといえば、「週刊現代」と「週刊ポスト」が双璧だ。1990年代前半に“ヘアヌード”という言葉を生み出したのは当時の週刊現代編集長の元木昌彦氏。“ヘアヌードの父”とも呼ばれる元木氏は積極的に袋綴じを利用してヘアヌードを掲載し、雑誌の売り上げアップに貢献した。

そして、究極の袋綴じと言えるのが、2009年に発売された「お宝ヤングジャンプ」。「週刊ヤングジャンプ」の創刊30周年を記念して作られた創刊号は、なんと世界初の“オール袋綴じ”! 過去の袋綴じから選び抜かれた25本を一冊にまとめた同誌は、「25回破れます!」のキャッチコピー通り、めくってもめくっても袋綴じの1冊。袋綴じはすべてミシン目タイプとなっており、カッター不要という気遣いが施されていたそうだ。

◆ケトル VOL.09(10月14日発売/太田出版)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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