京都の老舗自転車屋が「東京で乗りたい」人に売るのを渋る理由とは?

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4月13日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして京都をピックアップ。「京都が大好き!」と題し、京都市内の気になるスポット、お店、食べ物、文化、風習などを紹介している。今回取り上げるのは“京都と自転車”について。道路が碁盤上に整備され、起伏も少ない京都は、自転車で駆け抜けるのが最高だ。

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100万都市にも関わらず、いまだに路線バスが重要な移動手段となる京都の街を楽しむには自転車がベスト。中でも、京都御苑を東西に抜けるコースはオススメだ。「えっ? 砂利道でしょ?」なんて心配はご無用。実は、御苑は自転車で通り抜ける人が多く、みんなが同じところを走った結果、いつしか自然形成された「自転車専用」の轍ができている。

ケトルが推薦するのは、蛤御門から入って、目の前に大文字山がそびえる壮観な景色を眺めつつ御所の建礼門を横目に通り過ぎ、清和院御門へと抜けるコース。轍は30cmほどの細い道で、前方およそ100m先に対向車が見えたら、そっと道からそれて譲るのが暗黙のルールだが、まれにお互い譲ってしまい轍の上がぽっかり空く、なんてこともある。

そんな京都を自転車で走るのなら、京都で一番乗られている自転車が欲しくなる。三条会商店街にある「ナチュラルサイクル」は、1984年の創業以来、京都の人なら絶対に名前を知っているか一度は乗っているか、という自転車屋さんで、「東京で乗りたい」と言うと、やや渋られるのもこの店ならでは。というのも、坂道のない京都の街仕様の自転車には、変速ギアがついていないのだ。

しかしそれでも買いたくなってしまうのは、同店が、体型や走行距離に合わせてフレームの形からサドル、ハンドル、タイヤまで組み立てられるセミオーダー式だから。色もアクセも選べるので、カスタム心がくすぐられること間違いなしのナチュラルサイクルのフレームに付けられたロゴプレートには、「心と体の脂肪を脱げ」との英文が書かれている。

◆ケトル VOL.12(2013年4月13日発売/太田出版)

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ケトル VOL.12

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。