こだわりの八百屋が“ぐっと野菜がおいしそうに見える”陳列術解説

暮らし
スポンサーリンク

8月13日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして“小さなお店”をピックアップ。「小さいけれどスゴい店が大好き!」と題し、「メニューが多すぎて全部覚えられないお弁当屋」や「見たことのない蘭に出会える花屋」など、全国各地の名店を紹介している。

今回取り上げるのは、スーパーや老舗八百屋が軒を連ねる野菜激戦区の東京・西小山で、開店1年目にも関わらずじわじわと着実にファンを増やしつつある八百屋「ヤオヤプラス」。野菜も肉も魚も全部手に入るスーパーに行くほうが効率的なのに、なぜこんな小さな八百屋さんへ?

 * * *
お店に到着すると、まず目につくのが、店頭に並ぶ野菜や果物のディスプレイの美しさ。彩りを考えて配置された野菜や果物は、とにかくおいしそうで、野菜を買う気がなかった人でも、思わず手を伸ばしたくなること間違いありません。実は店長の秋元康亮さんは、大学卒業以来ずっと八百屋さんで働いており、野菜の陳列方法についても長年勉強してきた野菜のプロなのです。

「並べ方ひとつで、野菜の見え方は大きく変わります。たとえば、色が近い野菜が並ぶと目立たないから、できるだけ色はバラけさせてみたり。旬な食べ物は手に取りやすい目立つ位置に置いてみたり。些細な工夫ではありますが、これをやると、ぐっと野菜がおいしそうに見えるんですよね」

そんな想いがあるがゆえ、スタッフと毎朝約2時間かけて、陳列棚を作りあげているのだとか。ちなみに、並べ方はその日仕入れた野菜によって毎朝変わるので、リピーターのお客さんも毎日新鮮な野菜と新鮮なディスプレイを楽しめるのです。

また、見栄えの良さだけでなく、陳列にはほかにもいろいろと工夫がなされているようで、

「毎晩献立を考えるのって、面倒くさいじゃないですか。だから野菜を並べるときは、できるだけお客さんがなにかの料理を想像できるように意識しています。たとえば、にんじんと玉ねぎとじゃがいもを一緒に並べるとカレーや肉じゃが、きゅうりとトマトを一緒にしてサラダとか。一緒に買って行くお客さんは多いですね」

と語る秋元さん。そんなカリスマ店長は、野菜を使ったオススメメニューとして、野菜たっぷりの冬の定番料理「豚汁」、「口が臭くなるけどやめられない!」という声が多いという「葉ニンニクのチャーハン」、さらに冬の野菜・プチヴェールと生ハム入りの「ペペロンチーノ」を推奨している。

・ヤオヤプラス 東京都品川区小山6-7-3 営業時間10:00~20:00 無休

◆ケトル VOL.14(2013年8月13日発売)

【関連リンク】
ケトル VOL.14

【関連記事】
「無洗米は洗わなくても大丈夫?」 お米マイスターの回答は?
マヨネーズは2週間寝かせてから食べるとうま味が急上昇する
食べ物の「3秒ルール」は米にも存在 ただしアメリカ流は「5秒」
みんなが毎日食べてる食パン ところで食パンの「食」ってなに?

※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。