12月21日(土)、東京・有明の「有明コロシアム」にて、格闘家・ピーター・アーツの引退試合が行われる。アーネスト・ホースト、マイク・ベルナルド、アンディ・フグらと数多くの名勝負を繰り広げ、K-1史上初の2連覇を含む、都合3度のK-1チャンピオンに輝いたアーツ。引退試合を前にアーツは、過去の思い出をこう振り返っている。まずは、オランダ・アムステルダムのリングで、07年のトーナメントで敗れたセミー・シュルトに対し、「開幕戦でセミーと闘いたい」とマイクアピールした事件について。
「打ち合わせは一切ない。みんなチャンピオンにはなりたいくせに、『セミーはデカいからやりづらい』とか言って避けていた。いつの間にか、K-1の選手はビッグマウスなだけでハートが小さいやつらばかりになっていた。俺はいつでも誰とでもやるって言い続けてきたし、それがチャンピオンってことだろ? 俺はファイターとしてそれを証明してきたつもりだからな」
そんなアーツのスピリットを証明しているのが、ボブ・サップが試合開始直前に出場をキャンセルして、急遽ホーストと戦うことになった2006年のアムステルダム大会。しかし実際に話を聞くと、かなりめちゃくちゃな状況だったようだ。
「そもそも、俺は二人の対戦を放送席で解説するために呼ばれていた。今だから言うが、俺のコンディションは最悪だったんだよ。試合の予定がなかったから1カ月くらいトレーニングをしていないし、前日にパーティーがあってウオッカを1本は飲んでいた。で、2時間くらいしか寝ていなかったうえに、放送席でもリラックスしてビールをあおっていた。
そうしたら石井館長がやってきて、『ホーストとやってくれ』って言うんだ。まあ、シラフで考えたらめちゃくちゃな話だけど、そのときは俺も酔っていたので気軽に『OK』って答えたよ(笑)」
そんな状態で試合に臨むこと自体が異常なのだが、さらにアーツは驚きのエピソードを披露する。トランクスすら持っていなかったアーツは、トランクスをセミー・シュルトから借りて試合に臨んだというのだ。
「誰かが用意した最悪なデザインのトランクスもあったんだけどね。まったく、セミーは人としては本当に良いやつだよ(笑)。そうそう、準備中にアーネストが控室まで来て、『本気でやらなくたって、ファイトマネーはちゃんと出るぞ』って言ったんだ(笑)。
でも、俺はそんな中途半端なことはしない。ただ、体力が1ラウンドしか持たないことはわかりきっていたから、すぐに勝負を決めるつもりだった。しかし始まってみれば、ひどい内容で判定負け(笑)。オランダ人からブーイングの洗礼を受けたほどだった」
ピーター・アーツの引退試合『GLORY13』は2013年12月21日(土)、有明コロシアムにて開催。開場は14:00(調整中)、試合開始は15:00(調整中)。
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