「人生は暇つぶし」と語った大瀧詠一の最高に贅沢な生き方とは

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3月21日、昨年12月に亡くなった大瀧詠一のお別れ会が都内で開かれ、「はっぴいえんど」でともに活躍した細野晴臣、松本隆、鈴木茂ほか、多くのミュージシャンや関係者が出席し、故人を偲んだ。大瀧はメディアへの露出を嫌い、謎めいたイメージが強いミュージシャンとして知られていたが、多くの名言を残したのも事実。独特の生き方を貫いた彼の金言を紹介しよう。

【金言その1】
「忙しいと思ったことは一度もないよ。だって、人に言われてやってることじゃないんだもの」(1984年「ef」)

膨大な時間と労力をかけての楽曲作りを、大瀧は「仕事とは思ってない」と言います。それは、学費をレコードにつぎこみ高校を退学になった頃から、人生において「それ(音楽)以外の流れはみんなサブ」だから。「遊んでるようなもんだから、楽しいよ。それで十分」。全ての原動力は、音楽が好き、それだけだったのです。

【金言その2】
「今日生きているのだって途中だし、なんだって途中なんだから。一生未完で終わるわけですよ」(2005年 「文藝別冊」)

「未完のものっていうのは延々と続く」というのはつまり、「かたちにしなければ常に己のヴァージョン・アップが可能」という意味。大瀧がラジオや直の対話を大事にしていたのも、消えてなくなるメディアだから。完成した時点で成長は止まるのです。大瀧の最期は、そんな未完の美学を体現したものだったのかもしれません。

【金言その3】
「人生は暇つぶし」(2011年 FM NACK5 「K’s TRANSMISSION」)

「忙しいと思ったこともない。いつでもヒマなの。それで、いつでも楽しい」という大瀧は、自分の興味のままに楽曲を研究し、制作しと、最高に贅沢な暇つぶしを実践してきた人。大瀧いわく「働いてはいないが遊んではいない 引いてはいるがこもってはいない」。これが自分の世界を最も楽しめるラインです!

(文中敬称略)

◆ケトル VOL.17(2014年2月15日発売)

【関連リンク】
ケトル VOL.17

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。