フジテレビの社屋がハイビジョンテレビの16:9サイズになっているように、本の形になっている書店があるのをご存知ですか? そんな、「自ら本になりたい!」というレベルで本への愛が溢れているのが、香川県高松市の宮脇書店です。同市に本社を置く宮脇書店は、北海道から沖縄まで全国展開する日本有数の書店チェーンですが、その総本店は、本棚に並ぶ本のような外観をしており、しかも巨大です。
「売り場面積は約2000坪です。キャッチフレーズは『本なら何でもそろう』。なるべくセレクトしないで、まんべんなく本を置く。そのほうが知らない本との出会いも多くなります」
と語るのは、店主の山下郁夫さん。広大な店内には本がこれでもかと並んでいます。
圧巻なのは、主要な文庫が目録1から全部揃っているところ。都会の書店でもなかなかこの光景は見ることができないのでは? また、「子どものころから本に親しんでほしい」との思いから児童書が豊富で、『おばけのバーバパパ』や『はらぺこあおむし』などの大型絵本や紙芝居までもそろいます。
これだけでも十分にお客さんをワクワクさせる宮脇書店ですが、屋上にあがるとなんと観覧車「ぶっくるりん」がそびえています。しかもゴンドラのひとつひとつには、「王様文庫」「早川文庫」「知的生きかた文庫」など、文庫のレーベル名の名前がついており、お気に入りの文庫のゴンドラに、そのレーベルの文庫を片手に乗れば、きっと気分もアガるはず。天気の良い日には、観覧車から瀬戸内海の島々も見えるそうです。
※宮脇書店 総本店 香川県高松市朝日新町3-4
◆ケトル VOL.18(2014年4月15日発売)
【関連リンク】
・ケトル VOL.18
【関連記事】
・日本一「最高の本屋」と「最低の本屋」を訪ねてみた
・マーク・ジェイコブス監修の書店『BOOKMARK』 原宿にオープン
・鈴木おさむ 妻の中学時代のいじめ体験をモチーフに小説執筆
・ヴィレッジヴァンガードの旗艦店が渋谷センター街に登場