8月12日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして“鉄道”をピックアップ。「駅そば食べて、読書して ローカル線旅が大好き!」と題し、全国10路線の旅を紹介している。今回紹介するのは「駅そば」について。東西の蕎麦つゆの分かれ目はどこなのでしょう?
日本を東西に分ける時、よく用いられるのが「フォッサマグナ・糸魚川-静岡構造線」。ここを境に電気の周波数が変わるのはよく知られた話ですが、その他にも、灯油のポリタンクの色(赤と青)、お餅の形(四角と丸型)、だし(カツオだしと昆布だし)など、東日本と西日本では生活文化において様々な違いが存在します。
そばつゆに関して言えば、東と西は濃口と薄口に分かれますが、いったい分岐点はどこなのかを調べてみると、これは滋賀県のJR米原駅。同駅の「井筒屋」で出されるそばのつゆが関西風薄口で、駅そばの“西の入り口”は米原駅になるようです。青春18きっぷで東京から東海道線を乗り継いで西に移動していく時、最初に西を感じられるのがココということです。
ちなみに、駅そば研究家・鈴木弘毅さんの著書『東西「駅そば」探訪』によれば、北陸本線の場合、境界はJR富山駅だそう。同駅には駅そば屋が2軒あり、「越中そば」は関東風、「源」は関西風のつゆでそばを出すとのこと。東と西が同じ駅で混在しているというのも実に興味深い話です。
◆ケトル VOL.20(2014年8月12日発売)
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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。