松本大洋が描いた卓球マンガ『ピンポン』が、18年の時を経て、この4月にアニメ化された。アニメ化を手がけたのは、『マインドゲーム』や『四畳半神話大系』を手がけた湯浅政明監督。アニメ化の企画を受けたとき「怖かった」と思ったという湯浅は、8月11日発売の『クイック・ジャパン』vol.115で、その意味をこう語っている。
「このアニメ化の企画を聞いたときも、僕はただの松本さんのいちファンだったんです。松本さんの作品は、絵がすごくカッコいいし、マンガのままで完成していると思った。だからアニメにすることはないんじゃないかなって、最初は避けていたんです。でも、いろいろな企画が上がる中で、自分の好きなものをやるのが良いんじゃないかと。怖かったけれど引き受けることにしたんです。もしかしたら松本さんと知り合いになれるかもしれないし(笑)」
アニメ化にあたっては、松本と直接やりとりし、原作に盛り込めなかった要素を新たに取り入れた湯浅。しかし肝心の卓球シーンについては、かなり苦労したようだ。
「最初、全話絵コンテを描くのはそれほど大変じゃないと思っていたんです。ところが卓球シーンを描こうとしたらパタっと手が止まってしまった。卓球の試合を組み立てるということができなかったんですよ。試合へ取材に行って卓球の面白いところを理解しようとはしていましたが、まだそこまで理解出来ていなくて」
それでも、卓球界のルール改変やそれに伴う戦術の変更などを、アニメ版ではしっかり取り入れ、作品を完成させた湯浅。8月27日には、『ピンポン COMPLETE BOX』も発売されている。
◆『クイック・ジャパン』vol.115(2014年8月11日発売/太田出版)
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