駅前が断崖絶壁 自転車訪問もNGの秘境駅が長野県に存在

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近年の鉄道ブームにより注目を浴びているのが、周辺に人家がほとんど見当たらず、辺鄙な場所にある「秘境駅」です。そんな秘境駅が数多く存在するのが、愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅を結ぶ飯田線。全94駅、トンネルが138個、全部通しで乗ると約6時間という飯田線を旅してみましょう。

まず、鉄道と読書好きなら絶対に途中下車したいのが、駅舎自体が図書館になっている佐久間駅。かつてこの地に住んだ文豪・井上靖の生原稿や、昔、中部天竜駅にあった鉄道博物館「佐久間レールパーク」の看板が展示されています。佐久間は民話の里としても有名で、図書館には地元・佐久間にまつわる民話がずらり。川が多いせいか、河童や蛇、竜の逸話が多いようです。

続いては、秘境駅訪問家・牛山隆信氏作成の最新版全国秘境駅ランキングにて3位を獲得した小和田駅。雅子妃の苗字「小和田」と同じ漢字ゆえ(駅の読み方は「こわだ」)、かつてご成婚ブームで栄えた小和田駅は、駅に降り立つと、人影どころか動物の影すら見当たりません。携帯の電波も通じないこの駅で読むべきは「駅ノート」。1979年からこの駅を訪れた“物好きな人”によって書き綴られてきたノートは、2014年7月時点ですでに10冊を数えており、ポエミーなものからイラスト、愛の告白まで、読む人を飽きさせません。

そして小和田駅と並ぶ飯田線屈指の秘境駅が田本駅。この駅は、駅前が断崖絶壁で、車はおろか、バイクや自転車などでも乗り入れることができません。つまり徒歩か飯田線でないと、到達することができないということ。このほか飯田線には、駅前の狭い吊り橋が有名な為栗(してぐり)駅、駅近くに渓流が流れる金野駅などがありますが、これらの駅で下車すると、2、3時間電車が来ないことはザラなので、その点はお気を付け下さい。

◆ケトル VOL.20(2014年8月11日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。