図鑑の絵師さんを直撃 「恐竜の色」はどうやって決めている?

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図鑑を眺めていると、時に大人でも時間を忘れてしまうほど熱中してしまうことがありますが、図鑑好きな人ならば、誰もが1度は確実に抱く疑問が、「恐竜などの誰も見たことがない生き物を描くとき、いったいどうやって描いているのか?」というもの。

そこで『動く図鑑MOVE』(講談社)や『ならべてくらべる動物進化図鑑』(ブックマン社)など多数の図鑑で生物画を描く川崎悟司さんに、聞いてみました。恐竜などの古代生物から、空想上の未来生物までを描いてきた川崎さんですが、写真やサンプルがない生物はどうやって描いているのですか?

「昔の図鑑の絵や資料を参考にすることが多いですね。ただ、最近は慣れてきて、骨の骨格図を見れば筋肉のつき方のパターンが想像できるので、だいたいの輪郭は骨格を見ればわかるようになりました」

ただし、監修者によって描き直しの指示が入ることもあり、トリケラトプスを描いた際には、「10回は修正が入りました」と語る川崎さん。常に監修者に頼りきりというわけではなく、川崎さん自身も最新科学のリサーチを欠かさないそうですが、形状はともかく、色合いはどのように決めているのでしょう?

「現存する爬虫類の色を参考にすることもありますが、実はあの色合いはかなり適当なんです(笑)。大半の絵師さんが自分の想像で、好き勝手に色を塗っていると思いますよ」

中には、発見された化石から実際の色が判明するようなケースはあるものの、基本的には「どんな色を塗ってもOK」なのだとか。正確性を求められる図鑑において、古代生物の色合いには絵師さん独自の遊び心が詰まっているのです。

※『ならべてくらべる動物進化図鑑』(ブックマン社)
生物学者・福岡伸一氏も絶賛したのが、川崎さん執筆の『ならべてくらべる動物進化図鑑』。哺乳類から昆虫まで、遺伝子上同じグループとされる最古の種から現存する種まで年代順に並べ、進化の流れを表している。

◆ケトル VOL.23(2015年2月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。