謝罪文に「お詫びしたいと思います」と書いてはいけない理由

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2月19日の衆議院予算委員会で、安倍首相が民主党議員にヤジを飛ばした問題について、首相は23日に陳謝し、「いまだ木鶏(もっけい)たりえず」と述べました。この「木鶏」とは、木彫りの鶏のように全く動じない、闘鶏における最強の状態を表す単語のこと。今回の首相の発言を耳にして、「木鶏」という単語を辞書で引いたり、インターネットで検索した人も多かったのではないでしょうか。

安倍首相の場合は、普段めったに使われない「木鶏」という単語を用いて謝意を示しましたが、やはり人に謝るという行為は難しいもの。例えば「お詫びしたいと思います」という、いかにも謝罪文に書いてしまいそうな言葉は、『明鏡国語辞典(以下『明鏡』)』(大修館書店)によると不適切なようです。「~したいと思います」という表現は、「必ずしも実行が伴わないと解釈される場合がある」からです。

他にも『明鏡』は、「喝を入れる」と「活を入れる」、「確率」は「大きい」か「高い」か「多い」か、尊敬語の「お」と「ご」の使い分けについてなど、いかにも「どっちが正しいんだっけ?」と悩みそうな表記をピックアップ。どちらが正しいのか、そういった表記や言い回しの何が誤りなのかについて、簡潔に説明しています。

しかし『明鏡』は一方で、改訂にあたって読者から寄せられた「ぜひ、辞書に載せてほしい言葉」の一部も採用。「いらっと」「がち」「空気を読む」など、普段づかいの単語も多く掲載されています。

◆ケトル VOL.23(2015年2月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。