黒柳徹子さんが司会を務める『徹子の部屋』は今年40周年を迎えましたが、司会者としての彼女を語る上で避けて通れないのが、往年の人気番組『ザ・ベストテン』(TBS系)です。
最高で41.9%の視聴率を記録し、今もテレビ界の伝説として語り継がれる同番組で、1978年から7年間、黒柳さんとともに司会を務めたのが久米宏さん。「僕も徹子さんも若くて、番組ではとにかく破天荒なことばかりやっていました」。そう当時を振り返る久米さんは、黒柳さんとの思い出をこう振り返っています。
「毎週オール生放送でしたから、本番で何が起こるかわからない。音楽番組というよりは、報道に近い感覚でした。そこがとてもテレビ的で、徹子さんも僕もお互いを驚かせてやろうと、いつも隠し玉を投げ合っていたんです。台本は一応あって、秋元康さんが放送作家として書いていたんですが、僕らはリハーサルでやったことは本番ではやらないという主義でした」
きっちりした台本にそって進行する歌番組の常識を、「そんなのツマらない」と否定することから始まった同番組。カメラアングルも歌手への質問もすべてがリハーサル通りに進む従来の形式がフィクションなら、『ザ・ベストテン』はノンフィクションだったと久米さんは言います。
そのため、歌詞を間違える歌手もいれば、スタジオ入りが本番に間に合わない歌手もいるなど、生放送ならではのハプニングが続出。しかしその臨場感こそが、多くの視聴者を毎週木曜21時からの生放送に釘付けにしたのです。
◆ケトル VOL.31(2016年6月14日発売)
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