クリープハイプ尾崎 「音楽をやめたい」を経てバンドはどう変わった?

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6月に初の小説『祐介』を発表したばかりのクリープハイプの尾崎世界観が、アルバム『世界観』を9月7日にリリースした。昨年には「音楽をやめたい」とすら考えた尾崎だが、当時は何を考えていたのか? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.127で、尾崎はこう語っている。

「責任をとるということで言ったら、続けていくこと自体が、よくないんじゃないかというぐらいに思っていたので。でも自分が曲の土台を作らなきゃならないし、そんな自分の作った曲で、演奏するほうも聴いてくれた人も幸せになるのかなぁ? と……」

メンバーにも実際に「やめたい」と何回も言ったものの、「とりあえず予定の決まっているところまでは(続けよう)」という方法で、バンドが続けられたと語る尾崎。クリープハイプは、ほとんどの楽曲の作詞・作曲を尾崎が作ってきたが、今回の危機を経て、バンドのチーム力も高まったようだ。

「今回のアルバムでは創造するパートと、技術的なことを担うパートの分業ができて、俺もあまりにも現実的じゃないことは要求しなくなったし、かといって現実的すぎてつまらないわけでもなく、それをちゃんと音として出すバンドの技術も上がってきた。意外でしたけどね、俺がこういうことやってと言ったことに、メンバーのほうもさらっと返してきてくれたのは」

バンドの中では、やはり尾崎が前に出ることが多く、個人で活動する機会も増えているが、尾崎は、

「バンドこそ一番の、最初に納得させなきゃいけないお客さんだと思ってますね。バンドのメンバーにこそかっこ悪いところは見せられない、圧倒的でいないといけないというプレッシャーはあります」

と語っており、クリープハイプは尾崎にとって大事な“ホーム”のようだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.127(2016年9月1日発売/太田出版)

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『クイック・ジャパン』vol.127

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。