8月31日、MIYAVIが1年4カ月ぶりのオリジナルアルバム『Fire Bird』をリリースした。MIYAVIといえば、話題を集めたのが映画『アンブロークン』への出演。第二次大戦における日本軍の描写が残酷だとして“反日映画”とも称された同作だが、MIYAVIはなぜ“問題作”への出演を決めたのか? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.127で、MIYAVIはこのように語っている。
「最初にアンジー(アンジェリーナ・ジョリー)と東京で会うまでは、やっぱり悩んでましたね。まず、ストーリー自体が波紋を呼ぶものでしたし。実際、ミュージシャンとしてのキャリアを壊しかねないなって」
「すごく迷いました」「大役をこなせるのかっていう迷いもあった」と、当時の心境を告白するMIYAVI。しかしアンジェリーナ・ジョリーと会った瞬間に、その迷いは解消されたようだ。
「東京でアンジーと会うことになったんです。そしたら、会ったその瞬間にブラッド・ピットがいて、僕の曲を歌い出したんですよ。『What’s My Name! What’s My Name!』って。これがハリウッドかと(笑)。すっげえナイス・ガイでしたね。で、アンジーが
『これは日本とアメリカだけの話ではない。どこで起きてもおかしくないし、今もどこかで行われていること。この作品を通じて、ひとりの男が“最終的にはすべてを許す”という境地に辿り着く、その強さを描きたいんだ』
と言われて。だったら、俺も全身全霊で挑戦しようと」
作中では、捕虜に厳しい態度を取る軍曹を演じたMIYAVIだが、一方では「アジア人として自分」を強く意識しているそう。MIYAVIは、
「俺はアジア人というだけで相手にされないっていう瞬間に、これまで何度も立ち会ってきたんです。バカにされるどころか、相手にすらされないっていう。あれはもう、言葉にできない感覚ですね。あれを感じるたびに、僕は『絶対にかっこいいアジア人像を作り上げてやる』と強く思うんです」
と語っており、『アンブロークン』出演時に一部から浴びせられた「反日」という汚名は、とんだ見当違いだったようだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.127(2016年9月1日発売/太田出版)
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