動物園に行って、動物を見ただけで満足しているアナタ、それはかなりもったいないことをしています。見過ごしがちではありますが、実は動物園の各所に設置されている解説板は、飼育員さんの動物愛が注ぎ込まれた力作ぞろい。大人ならばこれを堪能しない手はない……ということで、全国の動物園のユニークな解説板を紹介します。
福岡県・到津の森公園で見ておきたいのが、手作り感あふれる解説板です。同園の解説板は基本的に飼育員さん自ら材料を買い、色を塗って作ったという愛にあふれた作品ばかり。イチオシはキリンやチンパンジーなどがいる「林床の世界」エリア。「キリンの胃はウシと一緒で4つ」「キリンの首の骨は人と同じで7つ」と、それぞれの動物に関するトリビアが満載です。
エンタメ精神抜群なのは、富山県の高岡古城公園動物園の手書き解説。厚切りジェイソン風やライザップ風など、トレンドを盛り込みまくる文章にはファンも多いそうです。
ユニークさで評判なのが、秋田県の大森山動物園のスズメの解説板。本来スズメの飼育はしていないものの、餌を狙った野良スズメがキジ舎によく入り込むため、「スズメも飼っているんですか?」と、お客さんに聞かれたことから、
・体長:キジ舎の網を通り抜けるぐらい
・体重:キジ舎で食べた分
・繁殖:キジ舎の中
・たべもの:キジたちのごはん
という看板を設置。この看板はネットで話題になり、ツイッターで4万件もリツイートされるほど話題になりました。
東京・吉祥寺の井の頭自然文化園で話題となったのは「ヒト」の解説板です。檻の中に鏡があって、目の前の人が映る仕掛けになっており、
(特徴)
・好奇心が強い
・あつかい方によっては大変危険
・鏡の中のあなた
などと、記されています。見ただけで知的好奇心が高まるうえ、大人だからこそクスッと笑える解説看板の数々。今後はぜひともお見逃しなく!
◆ケトル VOL.33(2016年10月14日発売)
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