音楽ユニット「THE 夏の魔物」が7月12日に『シン・マモノボンバイエ』をリリースした。THE 夏の魔物は、『AOMORI ROCK FESTIVAL ~夏の魔物~」の主催者である成田大致によって結成されたユニットだが、VAPからメジャーリリースした今作で、成田はどう変わったのか? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.132で、成田はこう語っている。
「昔は地元の青森で情報がないなか、それこそQJ(Quick Japan)でTHA BLUE HERB」の特集とか、フィッシュマンズの佐藤さんや(忌野)清志郎さんが表紙だったりするのを見て、自分の中でロック幻想を膨らませていて。QJで“ももクロショック”みたいなものを受けて、ああ俺がやりたいロックはこれだった! みたいな。
昔は自分の憧れが投影されているだけで、自分たちの精神や肉体に直に繋がるようなものではなかったんです。でも今、THE夏の魔物を結成してからは、自分たちのリアルな部分と直結したものを作り出せてるっていう実感があります」
成田は楽器ができないため、メールや電話、ボイスメモを使って曲作りをしているというTHE 夏の魔物。メンバー全員の顔が見えるロックバンドができあがったことで、成田の心境にもかなり変化が生まれたようだ。
「(ポニー)キャニオン期や、それ以前はかなり破天荒なイメージが強かったと思うんですよね。インタビューを受けて赤字の話しをベラベラしゃべったりとか……言われてないのに自分からフルチンになるみたいなことを繰り返してたんですけど、それが結果的に『音楽をやってる』という風に見られなかった原因というか……。
『どういうことをバンドで伝えたいのか』とか『なぜ俺はロックをやってるのか』っていう部分を言葉で伝えてこなかった。もちろんあの頃に学んだことや得たものはたくさんありますし、今の活動に活きてはいるんですけど、今こうして素晴らしいメンバーと活動できるていることには直結してないですよね」
今年1月にバンド名が「夏の魔物」から「THE夏の魔物」に生まれ変わり、新たな思いで音楽と向かい合う成田は、
「俺たちこれしかないんですよ、音楽しか」
「今このメンバーでやれてるってことも、それはもう言葉にできないくらいうれしいこと」
と、やる気は十分の様子。若くしてフェスを開催したエネルギーを音楽にぶつけるTHE夏の魔物の快進撃が、これから始まりそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.132(2017年6月23日発売/太田出版)
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