昭和から平成へと時代を駆け抜けてきた『オールナイトニッポン』(ANN)。深夜のラジオはパーソナルな色合いが強く、こっそりとラジオに耳を傾けるリスナーとパーソナリティがマンツーマンで向かい合うような感覚が魅力ですが、50年を超える『ANN』の歴史の中では、2時間に及ぶ長丁場を“他人”として乗り切ってしまった人もいます。
その人物の名は、数々の芸能人のモノマネを番組中で披露し、『ANN』でも人気を博していた松村邦洋。スペシャルウィークに、十八番であるビートたけしのモノマネで2時間の生放送をやりきる『ほぼビートたけしのオールナイトニッポン』が放送されました。ちなみに、このときには、たけしの『ANN』でハガキ職人だった「ベン村さ来」が構成作家として参加しています。
これだけでも十分に快挙ですが、松村にしかできないこの企画は、さらに進化を遂げて2000年代に1夜限りの復活を果たすことになります。それは、2005年6月25日に放送されたもので、その内容はビートたけしを始めとする芸能人に扮した松村が、織田信長として戦国時代を解説するというもの。その名も『ほぼ織田信長のオールナイトニッポン』というものでした。
この番組は、糸井重里がTBSラジオの番組で松村の「ビートたけしが信長としてANNをやる」というネタを絶賛したことで、そのままニッポン放送に企画を持ち込み実現したもの。他局で話題になったネタが番組化されるという意味でも貴重な放送となりました。
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