両親が寝静まったあとの密かな楽しみに、受験勉強に追われているときのお供に、夜中まで働いている人の息抜きに……独特な魅力がある深夜ラジオの代表格と言えば『オールナイトニッポン』(ANN)。深夜、孤独に生きる人々の“解放区”として50年にわたり愛されてきた『ANN』ですが、その歴史の中には、“やりすぎ”で始末書を書く羽目になった人も少なくありません。
ほとんどのパーソナリティが無難に進行する交通情報のコーナーで、積極的にアナウンサーに話しかけていたデーモン小暮。ある年のGWの放送では、道路交通情報センターのアナウンサーに、「遊びに行って渋滞にハマっているやつをどう思う?」と質問。思わず乗せられたアナウンサーが、「働いている身としては『ざまあみろ』ですね」と答えてしまいました。“悪魔”にそそのかされてしまった結果、このアナウンサーは始末書を書かされるハメになりました。
絶大な人気を誇ったビートたけしの後任に抜擢された古田新太は、世間の期待値が低かったことから、「世界で一番偏差値が低いラジオ番組」をキャッチフレーズに容赦のない下ネタを炸裂。女性リスナーに自身の性体験を放送ギリギリの隠語を使って聞くコーナーなどで全国の青少年の心に火をつけ、人気となったものの、その過激さから1991年1月から1992年10月までの放送で、始末書を書かなかった日は2回しかなかったそうです。
リスナーを巻き込む“レイブ(=ハガキ職人を巻き込んで行われた数々のバカ騒ぎのこと)”と称した突発的なドッキリ放送で、2000年代の深夜ラジオでは貴重となった破天荒な企画を実現してきた西川貴教。その一部を紹介するだけでも、「スタッフの自宅の風呂でフルーチェを作る」「逃げる放送作家にタックルしたらステッカー進呈」「リスナーに麦チョコの風呂をプレゼント」など衝撃的なものばかりでした。
これらのドッキリは、はしゃぎすぎたあまり、スタッフが会社から叱られるハメになったことも少なくなく、始末書どころか、さらに上の「顛末書」までスタッフが書くハメになったカオスぶりは毎回大きな話題を呼びました。
◆ケトルVOL.45(2018年10月12日発売)
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