『ANN』70年代伝説 「64万人と握手」「山手線大混乱」「PTA激怒」

スポンサーリンク

1967年10月にスタートし、昨年放送開始50年を迎えたオールナイトニッポン(ANN)。今や深夜ラジオの代名詞となったANNですが、深夜放送全盛期とも言われる70年代には、今では想像もできないようなエピソードが残っています。

1970年6月から始まった全国ネットにより、リスナーが全国に拡大したANN。若者との対話を重視し、会報誌『ビバヤング』も発行していたANNでは、クルマ好きで知られた金曜パーソナリティの今仁哲夫が、木曜パーソナリティの天井邦夫とともに、1971年にホンダ・クーペ9で日本縦断しながら各地で握手会を開催。声しか知らず、芸能人でもない彼らのために集まったリスナーは、3カ月のツアーで累計64万6000人にも上りました。

とくかくハチャメチャだったのはフォークデュオの「あのねのね」。1973年12月の放送で「山手線の始発で朝の景色を見たい」と発言したことから、リスナーが山手線に殺到。2人に会いたい人々で電車は混乱状態となり、車両の窓ガラスが割れるなどの大トラブルに発展しました。ほかにも警視庁にいたずら電話をかけたり、ニセの時報を流して本物を当てるクイズをしたり、裏番組に乱入してみたりと、彼らの型破りさは、とんねるずの石橋貴明が弟子入りを志願したほど若者の支持を集めました。

1974年から土曜ANNを11年担当した笑福亭鶴光は、「ええか? ええのんか?」といった男心をくすぐるセリフの数々で一世を風靡し、深夜ラジオに下ネタ旋風を巻き起こましした。その内容はPTAから反発された一方、若者からは絶大な人気を獲得。女性アイドルをあの手この手で驚かせる企画の数々も当時の男の子たちの興奮を誘い、「真夜中の大運動会」と題した4時間の生放送では、青山霊園に隠されたレコードを取ってきたら曲を放送するという企画まで行いました。

◆ケトルVOL.45(2018年10月12日発売)

【関連リンク】
ケトルVOL.45

【関連記事】
TBSラジオ「珍プレー好プレー大賞」で“レジェンド”と呼ばれる大物アナは?
久米宏 新人時代にラジオ中継の突撃取材で見せた鉄の心臓ぶり
AIがラジオの情報番組のアシスタントを担当 生放送でどんどん進化
TBSラジオ神回 石橋貴明がバナナマンの番組に乱入した夜

※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

関連商品
ケトル VOL.45
太田出版