近年、テレビ業界がコンプライアンスや“炎上”を恐れ、守りに入った番組作りを続ける状況で、俄然存在感を増しているのが配信バラエティだ。新たなエンタテインメントを模索するメディアが配信するコンテンツの中には、地上波の番組以上の制作費を投入するものもあるが、出演している芸人は、どのように笑いのスイッチを切り替えているのか?
『HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル』のシーズン2で優勝し、賞金1000万円を獲得した小峠英二は、2018年12月21日発売の『クイック・ジャパン』vol.141で、このように語っている。
「アマゾンさんでは『有吉弘行の脱ぬるま湯大作戦』に出て、あっちはあっちでとにかくお金がかかってて、すごかったっすね。地上波の番組でも爆破を受けたことはありますけど、火薬の量が全然違って、爆破がデカいんですよ。初めて爆風を感じて、『戦争ってこんななんだろうな』って思いました。
僕はまだTVに出させてもらうようになってたかだか6年くらいなんですけど、やっぱり今はコンプライアンスが厳しくていろいろできないことがあるのを感じますよ。配信の番組はそのあたりが違っていて、僕がガキのころに観てたバラエティはこれくらいの感じでやってたんだろうな、って思います。思い描いているバカなこととかハードなことができる。だから、厳しい時代の中でもここだけはこれから先もほっといてほしい場所ですね」
厳しい制約の中で作られた番組を見てきた世代ならともかく、1976年生まれの小峠は、良い意味でテレビが好き勝手にやっていたのを知る世代。ただ、小峠は今の状況を嘆いているわけでもない。
「でも、『放送コードがゆるいから昔みたいなことやろうぜ』じゃ全然ダメで、やることは新しくなくちゃいけないと思います。『ドキュメンタル』もそうですけど、せっかくさえぎるものが少ないんだから、その中で新しいものを提出していきたいですよね」
優勝した『ドキュメンタル』のシーズン2では、アンジャッシュ児島に木魚バチで殴られ、頭部陥没&流血したり、洗濯バサミで乳首が伸びたりと、地上波では不可能な捨て身の芸で笑いを取った小峠。配信バラエティでやりたいアイデアはないのだろうか?
「バイきんぐで配信の番組をやるんだったら……そうっすね、西村の背中にタトゥー入れて消すところまでを放送するとかどうですかね。背中くらいだったら、西村はやらしてくれそうじゃないですか?」
半分冗談とはいえ、実現すれば話題になることは必至。地上波バラエティに引っ張りだこの小峠だが、笑いに人生をかけた男が配信バラエティでどんな芸を見せてくれるのか、お笑いファンならずとも要注目だ。
◆『クイック・ジャパン』vol.141(2018年12月21日発売/太田出版)
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・クイック・ジャパンvol.141-太田出版
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