先月発表された第44回木村伊兵衛写真賞を受賞した作家、岩根愛のノンフィクション『キプカへの旅』(太田出版)が、5月下旬に緊急発売されることが決定した。
〈ハワイと福島とは同じボンダンス(「盆唄」)で強く深く繋がっている。
心臓を貫くその鼓動に誘われ、キプカ(ハワイ語で「新しい生命の場所」)を文章と写真で綴った写真家の烈しい魂の唄。
ハワイ語の言葉に、「キプカ」という言葉がある。溶岩流から奇跡的に残ったあとに残った、小さな植物のオアシスのことである。そこから生き残った種子が黒い大地に飛び散っていき、やがてまた森が再生する、「新しい生命の場所」をも意味する。ハワイに通い始めてこの言葉を知ってから、ずっと心に残っていた言葉だった。美しいハワイの島々は、太古から活動し続ける火山の溶岩流が固まってできた。大地は美しい恵みを与えてくれるが、それを一瞬で奪いもする。それでも生き残った私たちは生き続けていく〉(同書より)
岩根は東京都出身で、1991年に単身渡米、ペトロリアハイスクールに留学し、オフグリッド、自給自足の暮らしの中で学ぶ。帰国後、アシスタントを経て1996年に独立。2006年以降、ハワイにおける日系文化に注視し、2013年より福島県三春町にも拠点を構え、移民を通じたハワイと福島の関連をテーマに制作を続ける。2018年、初の作品集『KIPUKA』を上梓し、第44回木村伊兵衛写真賞を受賞した。
現在、先行でWeb注文すると、特典(限定ブックカバー)がプレゼントされるキャンペーンが行われている。ブックカバーは、発売される本のカバーとは別の作者撮影写真を使った特製カバー。本に巻くのはもちろん、ミニポスターとして使うこともできる。
『キプカへの旅』(岩根愛・著・写真/太田出版)は2019年5月下旬発売。一般販売予価3000円+税。Web注文特別価格3000円(税込)。
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・緊急出版!岩根愛『キプカへの旅』限定特典付きで注文受付開始-太田出版
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