「ヒプノシスマイク」の勢いが止まらない。スタートからわずか2年半で、音源がオリコンウィークリーランキング1位に輝き、ライブのチケットはプラチナ化。ライブビューイングのチケットさえ予約困難に陥っている。ヒプノシスマイクは、男性声優がオリジナルのキャラクターに扮してラップするプロジェクトだが、いったいどのような経緯で生まれたのか? プロデューサーの平野宗一郎氏は、2019年4月26日発売の『クイック・ジャパン』vol.143でこのように語っている。
「ラップが持つ言葉を駆使したテクニックや感情表現の魅力を『言葉のプロ』である声優の方々にキャラクターとして表現していただくことで新しい魅力を引き出せると思いスタートしました。もちろんヒプマイに限らずどの企画も勝算があって立ち上げてやっていますが、チャレンジ精神と行動力、そして自分たちも楽しんで取り組めることが特に重要だと思います」
近年では声優が音楽界を席巻し、紅白歌合戦にも複数の声優が出演しているが、ラップとなれば話はまた別。結果的にこのプロジェクトは、スタート直後から大きな反響を集め続けているが、これは想定通りだったのだろうか?
「ラップミュージックと声優のスキルを掛け算したことによって生まれるクリエイティブを面白いと受け入れてもらったことは予想どおりでした。一方で意外だったことを挙げるなら、注目されるのが予想より早かった点ですね」
そんな“ヒプマイ”は、『The Chanpion』がリリースされたことで、バトルシーズンが一旦完結した。声優、キャラクター、音楽などが奇跡的に融合し、新たなエンターテインメントを生み出したヒプマイだが、今後はどのように展開していくのか?
「音楽原作としてさまざまなメディアミックスをすることは当初から目標にしていたことです。しかしながら、それは音楽原作としての本線があった上の話。ヒプノシスマイクの根幹はやはり音楽です」
飽和気味のアニソン/声優業界に風穴を開けたヒプノシスマイクが今後、どのような広がりを見せていくのか──新たな時代を迎えた今、もっとも目を離せない存在なのは間違いないようだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.143(2019年4月26日発売/太田出版)
【関連リンク】
・『Quick Japan』vol.143-太田出版
【関連記事】
・話題沸騰の「ヒプノシスマイク」 声優・野津山幸宏が語るその魅力
・宮野真守 「僕は、“宮野真守のスペシャリスト”を目指したい」
・エンタメの新ジャンル「2.5次元」 起源となったあの大ヒット作
・「黒バス」の黒子テツヤ役の声優・小野賢章は黒子同様影が薄い?