6年ぶり新作発表のOvall 再始動するためにこだわった「原点」

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それぞれソロアーティストとして活躍するShingo Suzuki、関口シンゴ、mabanuaによるトリオバンドOvallの6年ぶりの新作『Ovall』が12月に発売された。近年は日本でもブラック・ミュージックを取り巻く状況が劇的に変わったが、今回の再始動は、そうした時代の流れを受けたものなのか? 2019年12月26日発売の『クイック・ジャパン』vol.147で、メンバーはこのように語っている。

関口 「Ovallが活動休止した理由のひとつは、当時の日本のシーンにうまくアジャストできなかったことなんです。でも、最近はそうでもなくなったというか」

mabanua 「それこそ休止前はイベントに出るたび『俺たち、なんでここに呼ばれたんだろう……』みたいに感じることが多々あったんですけど、今はよくも悪くもやりやすい時期ですね。ただ、数年後にハシゴを外される可能性もあると思うので、そのときにまたバンドの真価が問われるのかな、とは思ってて」

バンドは休止していたものの、レコードレーベルの「origami PRODUCTIONS」でシーンに携わってきた彼ら。昨今の音楽シーンはソロ志向が強いのが特徴だが、そんな時期にあえてバンドで挑むのにも理由があるという。

mabanua 「たしかに昨今はソロ志向のミュージシャンが増えてますよね。だからこそ、もうちょっとバンドがいてもいいんじゃないかなって気持ちはあったし、それこそ音楽をやってる人って、必ずなにかしらの原点があるじゃないですか。たぶん死ぬまで逃れられないものというか、なにがトレンドになろうとそれだけは揺るがないもの。要は青春ですよね(笑)。この3人の場合は、それが00年前後のブラック・ミュージックなんです。古臭いと言われようが、Ovallの原点はそこだなって」

Shingo 「それこそエリカ・バドゥとかザ・ルーツが鳴らしてたようなナマのバンド・サウンドに、僕らはずっと憧れてたし、やっぱり自分のなかに元々あるものって、自然と出したくなってくるんですよね。とはいえ、自分たちのルーツをそのまま出すだけじゃ、ただのおじさんになっちゃうんで(笑)。オーセンティックな音楽をやるときこそ、しっかりモダナイズすることが大事。それがバンドのオリジナリティにつながるんじゃないかな、と思ってます」

3月からは全国を回るツアーも決定。セルフタイトルアルバムを引っさげて再びシーンに返り咲いた彼らが、2020年の音楽シーンをかき回すことになりそうだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.147(2019年12月26日発売/太田出版)

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クイックジャパン147-太田出版

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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