「1、2、3」の掛け声とともに登場したプレイステーション(PS)が、昨年12月で誕生25周年を迎えた。多くの人々の心に残るハードやソフトの進化を世に送り続けてきたPSは、世紀をまたいで愛されてきたが、ここでは21世紀におけるPSの功績を15のキーワードで振り返ってみよう。
【1】プレステのネットワーク化が始まる 「PlayStation BB」(2002年5月11日)
家庭に高速通信が普及する時代の到来を見据え、PS2はPlayStation BBというネットワークサービスを開始。『ファイナルファンタジーXI』などのオンラインゲームを提供した。
【2】スリムになっても性能そのまま 「PlayStation 2薄型・軽量化」(2004年11月3日)
PS2本体が性能そのままに大幅に軽量化、薄型化され、さらなる普及を後押しした。北米やヨーロッパでも大きく需要を伸ばし、1年後にはついに累計出荷台数が1億台を突破した。
【3】見渡す限り『ドラクエ』の世界 『ドラゴンクエストVIII』(2004年11月27日)
シリーズ8作目にして『ドラクエ』初の3D化を実現したタイトル。キャラクター自身の視点から周囲を見渡すこともでき、従来のファンにも新鮮な驚きを与えたPS2最大のヒット作。
【4】ソニー初の携帯ゲーム機 「PlayStation Portable」(2004年12月12日)
PSの10周年記念で発売。携帯ゲーム機ながらPS2と遜色のないグラフィック性能を持ち、手軽に高画質のゲームがプレイできた。姉妹機はダウンロード専用のPSP go。
【5】みんな一緒に『モンハン』やろうぜ 『モンスターハンター ポータブル』(2005年12月1日)
『モンハン』シリーズ1作目の携帯版として作られながら、「ひと狩り行こうぜ!」を合言葉に友だち同士で集まって楽しめるゲームとして大ヒットを記録。PSPの普及を支えた。
【6】大胆なイメチェンが大成功 『ペルソナ3』(2006年7月13日)
アトラスの『女神転生』シリーズのスピンオフだった『ペルソナ』は3作目にして内容を大幅に刷新。若者の心をつかむキャラクターと物語が支持を集め、現在も続く人気シリーズに。
【7】すべてのエンタメはここに集まる「PlayStation 3」(2006年11月11日)
ゲームだけでなく、音楽や映画などエンターテインメントの総合プラットフォームを目指して誕生。HD画質に対応した高機能ゲーム機として、ソニーの技術力の粋が集められた。
【8】死にまくる……けど面白い 『Demon’s Souls』(2009年2月5日)
高い難易度から死にまくる「死にゲー」とも呼ばれたが、ダークファンタジーとしての緻密な世界観と合わさりコアなゲームファンの支持を集め、後の『ソウル』シリーズへと発展した。
【9】プレステ第2のコントローラー 「PlayStation Move」(2010年10月21日)
PlayStation Eyeという専用のカメラと組み合わせることで、モーションセンサーを搭載した片手用コントローラーがプレイヤーの動きを感知。PS3で体感ゲームの操作を可能にした。
【10】インディーゲームが世界の賞を総ナメ 『風ノ旅ビト』(2012年3月15日)
ソフトの開発費が高騰する中、たった12名のチームが制作した本作が世界中のゲームアワードを受賞。PC中心だったインディーゲームの台頭を家庭用ゲーム機でも印象づけた。
【11】どこでも据え置きゲームをプレイ可能 「PlayStation Vita」(2011年12月17日)
PSPの後継機として発売。高いグラフィック性能を活かしてPS3や後のPS4のリモート操作も実現し、ネット環境があれば、どこでも据え置きゲームがプレイできることを打ち出した。
【12】PS専用ゲームが史上最多受賞 『The Last of Us』(2013年6月20日)
『アンチャーテッド』シリーズで知られるカリフォルニアの「ノーティードッグ」が手掛けた本作は、映画的なゲームの最高峰と評され、ゲームアワードの最多受賞記録を更新した。
【13】史上最速で1億台突破 「PlayStation 4」(2014年2月22日)
ゲームのプレイ画面をネットへ配信できるシェア機能が実装され、PSが世界中のユーザーと交流できるメディアに進化。PS2の記録を抜き、最速で累計出荷台数1億台を突破した。
【14】ゲームはいよいよ仮想現実へ 「PlayStation VR」(2016年10月13日)
バーチャル・リアリティ(VR)の時代の到来を告げるPS初のVRヘッドマウントディスプレイ。発表されるや大きな話題を呼び、発売直後は完売店が続出するほどの反響となった。
【15】2020年末に新PS登場! 「PlayStation 5 情報公開」(2019年10月8日)
この日、独占記事を掲載した『WIRED』によると、「2020年末登場」「コントローラーの振動機能の進化」「SSD搭載でロード時間短縮」「名称は『PS5』」になることが予告されている。
◆ケトルVOL.51(2019年12月17日発売)
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