陳暁夏代×山科ティナ中国あるある「空港で初めて…」（中国美女漫談）

今、注目の国・中国。日本と中国の背景を持つ陳暁夏代（ちんしょう・なつよ）が、カルチャーシーンをリードする様々な職業の中国美女をゲストにお迎えし中国と日本を語り合う。連載がワンテーママガジン「ケトル」にてスタート！　第4回の美女は、arで掲載中の「ショジョ恋。」も話題の漫画家、山科ティナさんです。

＊　＊　＊
夏代：漫画家・山科ティナとして活躍中だけど、これってどこから付けたの？　もしかして本名？

ティナ：「山科ティナ」はペンネームですね。でも実は本名からきてて。生まれはアメリカなので本名にティナが入っているんです。

夏代：じゃあ、「ティナちゃん」って呼ぶのは本名を呼んでることにもなるんだね（笑）。

ティナ：そうです（笑）。2歳までアメリカ、そのあと9歳まで、中国の広州市の祖父母の元で育ったんですよ。そこから母が仕事で日本に来たので私も日本に来て、美大に入り、今に至ります。

夏代：「中国あるある」だと思うんだけど、中国は親が共働きだからだいたいみんな最初は祖父母が面倒みるよね。私も3歳くらいまで母方の祖父母に育てられて……初めて父親に会ったのは関西国際空港だったなぁ。

ティナ：私もそうです！　母親に初めて会ったのが日本の空港。

夏代：当時、空港で初めて会った時にすごく嫌悪感があったのを覚えてる（笑）。知らない人にいきなり抱き締められる子どもの気持ち！

ティナ：わかります。鮮明に覚えてますよね……。

夏代：小さい頃の思い出っていくつかしか覚えてないけど、空港のシーンは鮮明だよね。

ティナ：それで私は、アメリカ国籍だから英語での正式な国籍名と、日本の身分証のそれのカタカナ名と、中国語の名前と、さらに自分で付けたペンネーム、名前が4つあるんです。

夏代：複雑だ（笑）。複雑だからあんまり公表してないんだね。ちなみに、ペンネームの山科ティナはいつ加わったの？

ティナ：このペンネームにしたのは大学に入ってからだから……2015年かな。その前、16歳の時に『別冊マーガレット』に漫画を持ち込み投稿してるんですけど、その時のペンネームは「ティナ」。まだ高校に通いながら夏休みに描くという感じでした。そこから大学受験などで忙しくなり、編集部とも疎遠になり、自分で漫画をSNSで発信し始めたのが「山科ティナ」のスタートです。

夏代：SNSのアカウント名だったんだ！

ティナ：当時はハヤカワ五味やチョーヒカルなどフルネームみたいな名前を使って、SNS上で活動している同世代が多くて。それでそっちの方が認識されやすいのかなと思って、ペンネームを変えた気がします。

夏代：絵はもっと前から描いていたの？

ティナ：それは中国にいた時からですね。日本のアニメ、『カードキャプターさくら』とか『フルーツバスケット』とか『名探偵コナン』とか、よく見てて……。

夏代：長編だね。そのあたりに影響を受けているからイラストよりも、漫画なのかな？

ティナ：そうかもしれない！　話を作る方が好きかも。これからもっと、長編に挑戦していこうと思っています。

夏代：この春に卒業制作として発表したのは、中国の女の子が主人公の作品なんだっけ？

ティナ：そうなんです。もともと中国テイストも好きですし、上野の中華地下市場や、香港の九龍城をモデルにしたことで知られていたウェアハウス川崎に資料集めに行ったりしました。

夏代：今日のワンピースも、作中で主人公が着ていた服だよね。

ティナ：あの作品は、自分を投影してますね。卒業制作という大事な場なので、自分のバックグラウンドやアイデンティティも盛り込もうと思ったんです。

夏代：読みたいな。卒業制作展は終わっちゃったけど、どこかでまだ読める？

ティナ：公開予定です。いつにしようかな～。

■プロフィール

（写真・左）陳暁夏代
内モンゴル自治区出身、上海育ち。幼少期から日本と中国を行き来する。2011年より北京・上海・シンガポールにてイベントを運営。2017年DIGDOG llc.を立ち上げ、日中のエンタメ分野や若年層マーケティングを多く手がける
www.chinshonatsuyo.com
Twitter：@chinshonatsuyo

（写真・右）山科ティナ
アメリカ生まれ中国育ち。多摩美1年在学したのち、東京藝大に入学。ウェブ公開した「#アルファベット乳」「妄想胸キュン漫画」から火がつき、雑誌連載、企業タイアップなど広く活動
https://note.com/tinarubii
Instagram：@tina_yamashina

【関連リンク】
・ケトルVOL.53-太田出版

※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。