5月18日、YouTubeに突如「東京03第2チャンネル」が開設され、翌日にはライブ配信でリモート単独ライブの開催を発表。8日後に行われた生配信は2万人弱が視聴した。異例のリモートライブはいかにして生まれたのか? 2020年6月26日発売の『クイック・ジャパン』vol.150で、東京03の3人と演出家のオークラはこのように語っている。
飯塚悟志 「そもそもは僕が自粛中めちゃくちゃ暇で、リモートでできるコントの台本を1本書いたところから全部はじまってるんです。コントを誰に見せるとかどこにアップするとか考えず、とりあえず台本を豊本と角ちゃんに読ませたら、『悪くないね』という反応だったんで、試しに撮ろうかと」
豊本明長 「その時点ではZOOMというのもよくわかってなくて」
オークラ 「ちょうどそのころ、TVでたくさんやってたリモート企画が、あんまりポジティブに利用されていないように思えたんですよ。だけど飯塚さんのコントは、リモート使ってポジティブな感じがしたんで、これだったらいけるんじゃないか、それにもっといろんなことできるんじゃないかな、って」
角田晃広 「でもその単独を1週間後、飯塚さんの誕生日にやるというんで、本当にびっくりしましたよ。それまでずっと暇だったのが、急に忙しくなるぞって」
録画を流すという選択肢もあったが、「最初から生配信のつもりでした」(飯塚)、「単独イコール生でやるというイメージなのかも」(豊本)と語るメンバーたち。配信後には、お金を払いたいという声も寄せられ、本人たちも非常に充実感を覚えたそうだ。
飯塚 「なんならここ何年かの単独で、一番ぐらいの緊張感と達成感がありました」
豊本 「普段の単独とは違う緊張感もありましたね。本番でときどき救急車の音が聞こえて、これも流れちゃうんじゃないか?というような心配も急に感じたりして」
角田 「お客さんが目の前にいないのに、こんな高揚して達成感があるのは終わってみて意外でしたね。なにもわからない状態で初めてやったことが大きいんでしょうけど」
視聴者数は1万8000人も達したため、「さいたまスーパーアリーナに立った気分」とおどける飯塚。今後、「第2チャンネル」はどう展開していくのか?
飯塚 「このリモート単独公演をやるためだけに立ち上げたものだから、今、コンテンツが開催決定を伝える動画、本番、打ち上げ、角ちゃんの歌の4つしかなくて、それだけ並んでる状態が1つのパッケージという感じがして好きなんですよ。登録者数も増えてるからなにもしないのはもったいない気もするし、このまま終わらせても格好いいなあって気持ちもありますね」
そう語る飯塚だが、リモートライブを見た2万人近くの視聴者が、それを許してくれるとは思えない。コロナ騒動の最中でも実力を見せつけた彼らが次はどんなコンテンツを提供してくれるのか、また1つ新たな楽しみができたようだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.150(2020年6月26日発売/太田出版)
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