自身の生活や身近な出来事を、アゲなテンションで発信してくれるYouTuber・kemioさん。画面越しにシェアハピ(=シェア ハピネス)なコンテンツを提供し、視聴者をポジティブな気持ちにさせてくれる彼は、日本とニューヨーク(NY)を行き来して活動していますが、このコロナ騒動下において、どのように二拠点生活を送ったのでしょうか? 『ケトルVOL.54』(2020年6月16日発売)で、このように語っています。
「飛行機の本数が減っていたり、機内でマスクしている人が増えたりと、移動中の光景からなんとなく状況の変化を感じて。そこから徐々に意識し始めました。中国で感染が拡大しているニュースを見た頃からは、僕自身も感染を予防する対策を本格的に始めました。
でも3月に入ってから、実生活のなかでも意識することがすごく増えた気がします。NYではエレベーターに同乗するときに『乗っていいですか』と聞かれることが多いし、街の人も道を譲りながら慎重に歩いてる。社会全体がソーシャル・ディスタンスを保つように徹底しているのを感じました」
日本に滞在していた時に、米政府が日本からアメリカへの渡航制限をかけるかもしれないという情報が流れ、最終的にNYへ渡ることを選んだKemioさん。米政府の要請により、2週間の自宅待機を余儀なくされましたが、これが思ったよりも大変でした。
「基本的にお休みの日はずっと家で過ごしているので、別に生活は何も変わらないと思っていたんです。でも状況の厳しさや、街全体のEmpty具合を、家の中からでもすごく感じた。自宅待機期間のうち最初の1週間は本当にきつかったです。NYの現実を受け入れるのに時間がかかりました。
家を充実させて過ごすのも難しくて、最初の頃は『どうしよう!最悪~』と思いながらぐうたらしていましたね。でも時間に余裕ができたからこそ、何か勉強してみたいと思って。オンライン英会話を始めたり、自分磨きの時間を作ったりするようになりました。あと、健康な生活を送るためには太陽光がめっちゃ大事なんだと気づいた。なるべく陽に当たる時間は作るようにしました」
一方で、外出がしにくい状況にあるからこそ、家族や友達とコミュニケーションを積極的に取っていたのだとか。楽しみの1つだった「Zoom飲み会」は時差が大きな問題でしたが、オンラインでのコミュニケーションには大きな可能性を感じたそうです。
「日本の友達は、基本的に夜の7~8時くらいからZoom飲み会をやるんですよね。でもその頃のNYは朝の6時。その時間からはさすがにお酒を飲めない! 僕だけスムージーで向こうはアルコール。テンションの差を感じちゃうことはたくさんありました(笑)。せっかくだから、いつか僕もお酒を飲める状態で参加してみたいって思いました。
でもオンラインビデオ通話でのコミュニケーションって、コロナが完全に終束した後も残る気がします。僕も、会ったことはないけどインターネットでは繋がっていた方とビデオ通話をしたことがあって。その時、初対面の人と直接会って話をするときよりも、自分が喋れていることに気づいたんです。
家っていう落ち着ける環境にいて、しかも他のことをやりながらでも話せる気軽さは大きいと思います。誰かとお茶をするときに他のことをしていたら失礼になるじゃないですか。でも友達とビデオ通話をしているときは、皿を洗いながらでも通話に参加できるし、それが失礼にならない。個々の生活やスタイルが受け入れられて、リラックスできるツールなんだなって思いました」
プライベートだけでなく、ビジネスシーンでもその有効性は確認されており、オンライン通話が“非常手段”ではなく、コミュニケーションの新たなツールとして定着する可能性は高そう。“リアル”と“オンライン”の使い分けが、コロナ後のコミュニケーションの大きなカギになりそうです。
◆ケトルVOL.54(2020年6月16日発売)
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