かつてTVに挑戦したKemioと、いまTVで戦うEXITによる対談が、2020年6月26日発売の『クイック・ジャパン』vol.150で実現。“先人が作った面白い/面白くない”に果敢にチャレンジする2組が、TVやお笑い界について語り合った。最近ではTVで堂々と「TVじゃやりたいことができない」と話すこともあるEXIT兼近。お互いに色々と物申したいことはあるようだ。同誌で、彼らはこう語っている。
兼近 「芸人つまんないっすからね。いやほんとに。お笑いはこういうもんだ、それはおもろないやろ、みたいな。何を面白いと思うか、『笑い』って人それぞれ多様なものなのに、『お笑い』っていう型にはめてジャッジするのは芸人のよくない癖ですよ。だから先輩に食ってかかっちゃうんですけど」
kemio 「芸人さんっていうかTV業界の方なんですけど、昔『ネットから出てきたお前みたいなもんがTVに出られるんだぞ』みたいな圧?を出してくる方が普通にいて。『TV様だぞ』みたいな。引いちゃいましたね」
TVはYouTubeに比べて歴史が長いため、ある程度ルールが出来上がっているのは仕方ないが、「(テレビに出ていた)当時はMCの人を閻魔大王?だと思っていて」(Kemio)、「ノリや流れがもう完成しちゃってるから、新しい人たちがものすごく不利」(兼近)と、不満を述べるKemioとEXIT。その1つの象徴として、彼らが問題視するのが“たとえ”だ。
兼近 「おじさんがおじさんにしか通じないたとえを使ってきたとき、どうしてます?」
kemio 「あー! プロレスとか野球とかですよね!」
兼近 「ですです! 昔の漫画とか」
kemio 「あるあるー! もしかしたらずるいかもだけど、僕はあんまこの人に時間使いたくなーいと思ったら適当に『わ~』とかいって笑って手叩きます。『え? 知らないの?』みたいな感じで来る人は絶対無理なんですよね。適当に気持ちよくしゃべらせてあげて、はいオーガズム~みたいな感じで帰してあげます」
必要以上に若者に迎合する必要はないが、その場にいる全員が理解できるように話すのは会話の基本。いつの時代も、若者とおじさんの間にはジェネレーションギャップが存在し、それはしばしば若者のせいにされがちだが、彼らの声を聞くと、「分かる前提で話さない」という当たり前の作業が、おじさん側には求められているようだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.150(2020年6月26日発売/太田出版)
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