2017年に発売され、各メディアで話題となった『文春にバレない密会の方法』(キンマサタカ・著)。多方面でリスクを背負う可能性のある不倫や浮気を、まさにこれから実行しようという人、もしくは既に実行中の人への指南書となっています。本書では「こんな方法があったのか!!」と目からウロコ間違いなしのリスク管理術や密会術を具体的に紹介。ここでは、その一部を特別に公開していきます。(全6回)
今回は、密会前後に使える隠蔽術とそのノウハウを紹介します。
ラブホテルを使ってはいけない
シティホテルの利用は、安全な密会の最低条件のひとつ。「ホテルから出てきた瞬間を目撃された」。その時点でアウトのような気もするが、それが「ラブホテル」か「シティホテル」かで、その緊迫度がまったく違うのだ。
シティホテルから出てきただけでは文春の記者だって「浮気だ」と断定できないし、決定的な証拠にはならないということだ。
ホテルのカフェで、お茶をしていただけかもしれない。レストランで食事をしていただけかもしれない。ただ、ラブホテルという場所にはそう思わせる余地がない。
ホテルから出てくる時間をずらすのも、古典的だが、有効な手法だ。状況証拠は限りなくアウトだとしても、裁判でも、この状況ひとつでは、決定的な証拠にはならない。ラブホテルだとひとりで出るのもなかなか難しいし、逆に目立ってしまう。
シティホテルはパートナーの満足度も高い。これは大きい。ラブホテルの「性」のみを目的とした淫猥な感じに比べ、イメージは格段に良い。
昼間の時間帯なら安めの料金設定のシティホテルも多いので、そのプランを利用するといい。
密会の後に行くべきはルノアール
密会の後は証拠だらけ。特に匂いの異変に気付く妻は多い。
ラブホテルの行為の後に風呂に入って、備え付けのチープな石鹼を使う愚か者はいないとしても、汗くらい、と思って、シャワーを浴びた結果、「毎週金曜日だけは匂いがしない!」と気付かれる事態もありうる。
というわけで密会後に必ず立ち寄ってほしい店がある。まずは、ルノアールなどの喫煙スペース。体全体にタバコの匂いをつける。多少の石鹼の匂いも上書きできる。これをマスキングと呼ぶ。
この後に、パチンコ店の外にあるエアシャワーで匂いを落とす。タバコの匂いが元の匂いを包み込んだ状態で、タバコの匂い自体を落としてしまえばすべての匂いは消えるという仕組みだ。これは実際に高級ホテルの室内清掃などでも使われていた立派な清掃方法なのである。
さらに、帰り道はひと駅前で降りて早足で歩いて帰れば、汗をかくのでさらに良い。
相手の香水の匂いが服について取れない場合は、コインランドリーで乾燥機にかけて熱を加えればこれも綺麗に消える。
* * *
本書『文春にバレない密会の方法』(キンマサタカ・著)では、他にも「途中でタクシー移動を挟め」「子供のお稽古は“書道・そろばん”」「あえてケータイにロックをかけない」などなど、具体的な密会ノウハウを徹底紹介。密会に使えるアプリや、おすすめの密会スポットの紹介、元文春記者によるコラムなども収録しています。
繰り返しになりますが、本書は不倫を推奨するものではありません。間違った方向に進んでしまい悩む人の人生にそっと寄り添う一冊です。
筆者について
フリーライター・編集者。1977年生まれ。出版社勤務後独立して現業。得意分野は肉欲と食欲。週刊誌やWEBで執筆多数。